株式投資の成績を下げる成長の罠が発生する5つの理由とは?グロース株投資の危険性を理解しよう!

      2020/04/16

乱高下するチャートのパソコン画面

株式投資の中でも魅力的なのが、いち早く成長企業を見つけて投資し成長企業の爆発的な成長によって大きなリターンを得ることです。成長株に狙いを定めるのはグロース株投資と呼ばれる投資手法であり、膨大なリターンに加えて自分の先見性に酔いしれることができます。

次世代を切り拓く企業に投資することほど心躍ることはなく、将来性のある企業に投資すれば安心感も得られます。

ところがどれほど将来性のある企業であっても、投資家にリターンをもたらしてくれるとは限りません。企業の成長ほどのリターンを得られない成長の罠にはまってしまう可能性があります。

今回は、株式投資家なら絶対に避けなくていけない株式投資の成績を下げる成長の罠が発生する5つの理由をご紹介します。グロース株投資の危険性を理解しておくだけで投資方針について再考することができます。




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1.投資家の過剰な期待で株価が高騰する

成長株は投資家に大きな夢を抱かされるものです。楽観的になってしまった投資家たちは無限の成長に期待して明らかに割高な株であっても買ってしまうため、株価は高騰してしまいます。

そんな高騰した割高な株を買ってしまえば、大きなリターンを得られないのも当たり前です。

将来の利益を重視する成長株

成長株が割高になる理由は、現在の利益ではなく将来の利益を重視しているからです。

現在は大した利益を出していなくても、大きく成長すれば将来的には大きな利益を出してくれるようになるのが成長株です。そのため現時点では割高に感じられても、将来的に利益を出すならむしろ割安とさえ判断できます。

成長株に投資するグロース投資と対極にあるのが割安株に投資するバリュー株投資ですが、グロース株投資では未来の利益を重視するのに対してバリュー株投資では現在の利益を重視します。

もし将来の利益が投資家の期待を超えるようなものであった場合、成長株を買うことで大きなリターンを得られることになります。

論理的に適正価格が存在しない

株式投資では、株を構成するさまざまな要素を正確に見積もり、その総和から導き出された本質的価値から相対的に利益を得られるのか判断しなくてはいけません。利益が得られると判断できれば、そのときこそ投資するべきタイミングとなります。

ところが株の本質的価値を正確に見積もることはほぼ不可能です。株の本質的価値を見積もるためには企業の業績、社会情勢、将来の見通しなどを考慮して判断する必要となり、そもそも株の本質的価値を見積もるために必要なデータでさえ正確であるかは不明だからです。

データの算定でさえさまざまな解釈があるのに、それらを結び合わせて本質的価値を見積もることは不可能です。

それでも割安株の場合、現在の利益を重視しているため比較的高い精度で株の本質的価値を見積もることができます。

しかし成長株になると、予測がほとんど不可能な将来の利益を重視しているため本質的価値を見積もることはさらに難しくなります。

また将来の利益は投資家の想像力によってどこまでも大きく膨らむものです。

たとえば40歳のサラリーマンの生涯賃金は40歳までに稼いだお金や現在の状況から大まかには予測できます。もちろん41歳で失業してその後の収入が途絶えたり、70歳を過ぎて大発明をして億万長者になる可能性もありますが、高い精度の予想の範囲は狭くなるものです。

一方で0歳の赤ちゃんの生涯賃金は、その赤ちゃんに対する期待によって予測の範囲は拡大します。悲観的になれば生まれてすぐに亡くなってしまうということも予測でき、楽観的になれば若くして天才的な頭脳によって世界一の大金持ちになるとも予測できます。

成長株は未来に投資するものであり、分かりやすくいえば0歳の赤ちゃんの未来に賭けるよなものです。期待が大きければバラ色の未来を描くことができ、まだ何も達成していない現時点であっても大きな価値があると判断できてしまいます。

成長株の場合、論理的な適正価格が存在しないため、どれだけ割高であっても割高であると判断できなくなってしまいます。

大きくなりすぎた投資家の期待には応えられない

成長株に投資して成功を収めるためには、成長株が投資家の期待を超える結果を出す必要があります。

楽観的になっている投資家の期待は大きく膨らんでおりハードルは非常に高くなっています。そのため成長株がほかの企業を圧倒するような結果を残したとしても、投資家の期待に応えることは非常に難しくなります。

ここで重要なのが、成長株に求められるのは投資家の期待を超えることです。投資家の期待通りの結果を出しても想定内のリターンしか生み出さず、もし優れた結果であっても投資家の期待に届かなければリターンは下がることになります。

大きくなりすぎた投資家の期待に応えることは困難を極め、多くの夢想家が投資している注目されている成長株ほどリターンは下がっていくことになります。

2.投資家が事業内容を理解できない

成長株の多くは最先端の技術を利用してこれまでになかったビジネスを展開しようとしています。また事業内容を複雑化させることで効率化や新しい価値を生み出します。

そのため投資家の多くは、成長分野で飛躍しようとしている企業が具体的にどのような事業を展開していて、何が利益の源泉になっているのか分からないものです。

事業内容が複雑すぎる

成長株は最先端の技術を取り扱っているため、多くの投資家には技術の優位性は理解できないものです。

これまでになかった技術を利用しているビジネスでは、どのようにしてお金を稼いでいるのかも分かりにくくなってしまいます。

事業内容が分かりやすい企業の例としてコカ・コーラを挙げれば、コカ・コーラはコカ・コーラをはじめとしたソフトドリンクを中心に製造販売することで利益を得ています。コカ・コーラの商品を飲んだことあれば、どのようなビジネスをしているのかは容易に想像できるはずです。

一方で事業内容が分かりにくい例としてグーグルを挙げれば、グーグルがインターネット広告で利益を得ていることを知っている人はコカ・コーラがソフトドリンクで利益を得ていることを知っている人ほどは多くはないはずです。誰もがグーグルのサービスを使っているはずですが、どのような仕組みで利益を得ているのかは簡単には分かりません。

グーグルは世界有数のIT企業であり、世界中の多くの人が利用しているサービスを提供しています。インターネットを使った人なら絶対にグーグルのサービスを利用しているはずです。

ところがそれだけ有名なグーグルであっても、どのような技術を持っていて、他社と比較してどのような部分に優位性があり、どのサービスが売り上げのうちどのくらいを占めていて、今後はどのような展開が期待できるかについては説明できる人はほとんどいません。

コカ・コーラなら簡単です。おいしいソフトドリンクを作っており、製造工場をたくさん持っており、強いブランド力があり、世界中に展開しています。コカ・コーラの品質は飲んでみれば判断することができ、利益はコカ・コーラがどれだけ売れるかで決まると分かります。

成長株は事業内容が複雑すぎるため、優れた投資家であってもなかなか事業内容を正確に把握することが困難になります。

経営者も分からない

事業内容が複雑な場合、事業内容を把握できないのは投資家だけではないかもしれません。

あまりにも複雑な事業の場合、経営者であっても事業内容が把握できない場合があります。特に技術者ではない経営の専門家が経営者になった場合、事業の把握は困難になります。

また最先端の技術はすぐに変化してしまうものです。10年前の技術が使い物にならなくなるということも当たり前のように起こります。

ここでもコカ・コーラとグーグルを比べてみましょう。10年前のコカ・コーラの味が今のコカ・コーラと比べて圧倒的にまずいということはありませんが、10年前のグーグルのサービスと今のグーグルのサービスでは雲泥の差があることには納得できるはずです。10年前のグーグルのサービスでは、現代の多くの人が不満を抱くはずです。

事業内容が変化してしまえば、ただでさえ把握が困難な複雑な事業を経営者が理解し続けることも難しくなります。

変化に対する判断を下せない

株式投資では、ストーリーが崩れたときには投資判断を変更する必要があります。投資をしたときに思い描いていたストーリーとは異なる状況に陥れば、投資結果も予測から大きく外れることになるからです。

ところが事業内容を正確に把握していなければ、思い描いていたストーリーが変化しても気付くことができません。分からないものが別の分からないものになっていれば、結局のところ分からないままだからです。

成長株ではストーリーの変化がよく起こります。デバイスを売っていた企業がサービスを売るようになったり、サービスを売っていた企業がデバイスを売るようになることも少なくありません。しかし事業内容を知らなければ変化に気付きません。

スマートフォンを売っていたアップルがクラウドサービスやアプリを売るようになったり、検索サービスを提供していたグーグルがスマートフォンやノートパソコンを売るようになっていますが、多くのユーザーはその変化にあまり気付いていません。

一方で事業内容が分かりやす企業なら違います。コカ・コーラがソフトドリンクを売り続けていることは誰でも知っており、別の商品を売り始め得ればすぐに気付くはずです。コカ・コーラがアルコール飲料を販売したときにはニュースになりました。

成長株の場合、事業内容を把握していないことに加えて変化が目まぐるしいため変化に気付くことが難しく、変化に対する判断も下すことが難しくなります。

3.過当競争によってビジネスがすぐに陳腐化する

成長分野は一攫千金を夢見る新規参入が多いためすぐに過当競争となってしまいます。過当競争に敗れてしまうとビジネスが陳腐化してしまい利益を得られなくなります。

死屍累々の成長分野

成長分野は比較的新しい産業であることが少なくありません。新しい産業の場合、新規参入が非常に多く過当競争が起こりやすくなります。

古くからある企業が独占的に事業を展開しており、事業を起こしために初期投資が必要なら新規参入のハードルが非常に高く、起業家の多くは参入を断念します。

ところが新しい分野なら独占している企業が少なく、商品やサービスの品質も極まっていないため新規参入のハードルが低くなっています。ブルーオーシャンを夢見る起業家が次々に参入していきます。

その結果、過当競争が起こって優位性を誇っていたサービスや商品が負けてしまうこともあります。

成長分野においては数年前まで一世を風靡していた企業が、いつのまにか小さくなっていることは少なくありません。生き残って大きくなった企業ばかりを見るため夢があるように思いますが、敗れ去った企業を数えれば死屍累々であることが分かります。

同じような商品やサービスが出てくる

商品やサービスの完成度が低ければ類似品が簡単に出てくるのが成長分野です。

ひとつの企業が独占的な状況になる前にほかの企業が参入すると類似の商品やサービスを提供します。

確固たるブランドが築き上げられていれば、類似品は淘汰されてしまいますが、ブランドが脆弱な場合には価格の安さが重視されてしまい、同じような商品やサービスの泥沼の戦いが始まります。

価格決定権を握ることができなければ、とにかく安い値段で売るしかなくなります。

利益率が低下

激しい過当競争に巻き込まれてしまえば、価格決定権を失ってしまいます。そして値段の安さが重視されるようになり、限界まで利益を減らして同業他社より少しでも安く売らなくてはならなくなります。

利益率が低下してしまえば儲けられなくなります。成長性のある事業への再投資も難しくなり、企業として伸び悩むことになります。

当然ながら株価が上昇することもなく期待通りのリターンをもたらすには程遠い状態になってしまいます。

利益率が低下するような状況になってしまえば、投資家が期待していた夢のような成長は絶対に不可能になってしまいます。

4.経営者が経営に失敗しやすい

成長企業は、事業内容が難しいことに加えて状況の変化が目まぐるしく、経営者は浮かれていい加減な経営をしがちです。経営者が失敗しやすい要素が揃っているため、経営者の失策によって失墜することも少なくありません。

独善的な経営をしやすい

成長企業は創業間もないことも多く、創業者がそのまま経営者として全権を握っていることも少なくありません。

創業者が経営者の場合、強力なリーダーシップによって企業を大きくしてきたという自負があるためワンマン経営に陥ってしまう可能性が高まります。

強力なリーダーシップは選択と集中を実現することで爆発的に企業を成長させる可能性を秘めている一方で、経営に失敗してしまえば破滅を逃れることが難しくなってしまいます。

企業の成長のステージによっては、複数人の経営幹部による合議制の方が安定して事業を展開できる場合もありますが、決定権を握っている創業者でもある経営者が経営権を手放すことはほとんどありません。

その結果、独善的な経営に陥ってしまい大失敗してしまう可能性があります。

利益の再投資に失敗する

企業は稼いだ利益を成長分野に投資するか配当金として株主に還元するか、どちらかの選択を迫られます。基本的に成長株は成長分野への再投資を繰り返すことで事業規模を大きくします。

このとき重要なのがムダのない利益の再投資です。企業の成長に必要な部分に利益を再投資することが大切になります。

ところが大きな利益がある場合、経営者はお金の使い方が非常に雑になります。ビジネスとは直接関係のないところに利益を投資したり、思い付きで新しい分野に多角化したりしてしまいます。

大きな儲けが生まれても、社屋や社長室が豪華になったり、社長の移動手段が高級車になったり、これまで展開してきた事業とは全く関係のない事業を買収していれば、企業が成長するわけありません。

大きなお金を手にした経営者が気の緩みから利益の再投資に大失敗することはよくあることです。

事業内容の把握が難しい

経営者が失敗を繰り返した場合、新しい経営者が選ばれることも少なくありません。ところが新しい経営者が複雑な授業内容を把握できるかは不明です。

ただでさえ簡単ではない経営状況を改善するためには経営のプロが経営者になる必要があります。一方で経営のプロでは技術のことは把握できず、事業内容を把握することは困難になります。

また事業内容を把握した技術に強い人間が経営者になったとしても、経営能力が優れているとは限りません。

成長企業の舵取りは、技術と経営の両方が理解できる人間でしか務まらず、優れた経営者が舵取りをするまで低迷が続く可能性があります。

5.配当金を出さない

成長株は利益を成長分野への再投資に使うため配当金を支払わないことがほとんどです。配当金を出さないことでリターンにも大きな影響を与えます。

経営者の怠慢が起こる

配当金を出すためには、常に株主に気を配る必要があります。経営者は株主に利益を還元するという意識を持つことになります。

また連続増配を続けている場合には配当金を支払うことには大きなプレッシャーが生まれます。連続増配株の中には、借金をしてまで配当金を支払う場合さえあります。

配当金を意識することで経営者は利益の使い方に慎重になり、利益の無駄遣いを防ぐことができます。

一方で配当金を出さない成長株の場合、経営者は株主のことを考えた経営をしなくなり、経営者の怠慢が起こることになります。

配当金については税金や手数料を考えるとムダに思える部分もありますが、現金で経営状況を示すということには税金や手数料を支払うだけの価値があります。

株価暴落で大きな損失が発生する

配当金のない成長株の場合、株価が下落したときには株を保有する意味が失われます。

配当金を目当てに買われることの多い高配当株では、株価が下落して配当金が出ていれば手放さずに保有を続ける投資家が多く、株価も成長株ほど暴落しません。

また配当金によって細かく利益確定ができるため、損失も抑えることができます。

成長性と株価の上昇を見込んで買われている成長株は、株価が暴落したときには極端に値下がりすることになるため損失も大きなものになります。

配当再投資によるリターンの拡大が見込めない

配当金は株価が低迷したときに割安で株を買い増す原資となります。そして株価が上昇したときには、割安で買い増した株が大きなリターンを生み出してくれます。

ところが成長株は配当金を出さないため配当金の再投資を行うことができません。配当金の再投資による複利効果を得られなくなってしまいます。

成長株の株価の上昇には、企業が利益を再投資しているため高配当株の配当金による複利効果まで含まれていると考えるべきですが、配当金の複利効果ほどのリターンを生み出しているかはなかなか判断できません。

成長株を買うときには株価の上昇ばかりに着目してしまうものですが、現実には株価には配当金が含まれていないため配当再投資によるリターンの拡大を差し引くと思った以上にリターンが生まれない場合もあります。

まとめ

株式投資において成長ほどすばらしいものはありません。どのような企業であっても、とにかく成長すれば株価は上昇するため投資家に夢のようなリターンをもたらしてくれます。

しかし企業の成長は予想外や想定外でなくてはならず、期待通りの成長では投資家への大きなリターンは生まれません。

投資家はリターンを最大化してくれる株を買うべきであり、成長する株を買えばいいというわけではありません。成長の罠を見破ることでリターンを高めるために、どのような株を買うべきか見極めることができるようになるはずです。

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