ギャンブルと株式投資の違いを確認する5つのチェックリストとは?投機ではなく資産運用をしよう!
株式投資をするときには、自分が運に任せたギャンブルをしているのか、堅実な資産運用としての投資をしているのか判断に迷うことがあります。
自分では投資をしているつもりでもギャンブルになっていることは少なくありません。後になって自分の判断が間違っていたことに気付いて後悔することもたくさんあります。
後になって判断の間違いに気付いても手遅れであり、損切りをして損失を最小限に抑えることしかできません。
今回は、ギャンブルと株式投資の違いを確認する5つのチェックリストをご紹介します。投機ではなく資産運用をしたいなら、株を買う前に次の5つの質問を自分に投げかけてみましょう。
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1.企業の長期的な利益を考えた投資か
目先の株価の動きに気を取られてギャンブルとして株を買う場合、企業の長期的な利益を考えることはありません。
もし株を買うときに企業の長期的な利益を考えていなければそれは投資ではなくギャンブルです。
企業の利益が株価上昇の源泉
投資家が収益を得るとき、本質的に収益の源泉となるのは企業の利益です。
企業の業績が伸びて利益が発生するからこそ、利益を再投資することで事業規模が拡大して売上が伸びたり、配当金の原資になったりします。
そして事業規模が拡大すれば企業の価値が高まるため株価が上昇してキャピタルゲインを手に入れることができ、利益が大きければ配当金として支払われることでインカムゲインが手に入ります。
企業の利益こそが株価上昇の源泉であり、企業の長期的な利益がなければ投資家の利益も拡大しません。企業の長期的な利益を考えずに投資するということは、エンジンが付いているか分からない飛行機に乗るようなものです。
短期的には株価は企業の業績と関係なく変動する
ギャンブルとして株を買う場合に企業の長期的な利益を考えない理由は、短期的には株価は企業の業績と関係なく変動するからです。
企業が長期的に利益を得ることができなくても株価が上昇することはあります。そのため株価の上昇に乗れば、どのような企業の株であっても売買することで利益を得ることができます。企業の長期的な利益と株価は無関係となります。
そのため企業ではなく株価を買うというイメージで株を買っている場合、それは投資ではなくギャンブルになります。
最終的には企業の業績と株価は収斂する
ギャンブルと投資の違いのひとつには確率があります。確率的に勝ち目があるかないか分からない勝負はギャンブルとなり、確率的に勝ち目のある勝負は投資となります。
短期的な株価の動きは分からないため確率的に勝ち目があるかないか分からない勝負となります。つまりギャンブルです。
しかし長期的な株価の動きは企業の業績に沿ったものになるため、企業の業績を見極めることができれば確率的に勝ち目のある勝負となり投資となります。
最終的には企業の業績と株価は収斂するため、企業の業績を見て株を買っているなら投資をしていることになります。
2.投資の決断に確信が持てるほど調査したか
感情に振り回されて思い付きで投資する場合には、個別銘柄にしろ投資信託やETFにしろ投資の決断に確信が持てるほど調査をしていないものです。
焦って株を買おうとしているときには見落とすものですが、後になってから自分が何に投資したのか分からないため不安になってくるものです。
とにかく急いで買ってしまう
ギャンブルとして株を買おうとしている時には、とにかく急いで株を買ってしまうものです。
今だけ株価が安く、このチャンスを逃せば次がないと思い込んでしまえば、できるだけ早く株を買いたいという気持ちになります。
気持ちも焦っているため複雑な思考を巡らせる余裕もありません。買おうと思っている株についてもしっかりと調べる時間も余裕もありません。
ギャンブルとして株を買うときには、急いで株を買おうとしているものです。株を買うときの気持ちに焦りがある場合には要注意です。
調査を怠けてしまう
一般的に市場が効率的であれば、株価は多くの投資家が十分に個別の銘柄についての調査を行って株を買っていることになります。そのため株価は妥当な水準で推移していると思いがちで、わざわざあらためて自分で調査しようとは思ないものです。
しかし実際には、誰もがしっかりと個別銘柄について調査しているわけではなければ、調査の結果が妥当なものであるかも分かりません。
ギャンブルをする人は楽をして大儲けしたいと思うもので、どれだけ儲ける確率を高めることができても調査をしてしまえば楽して儲けることはできません。そのためギャンブルとして株を買おうとする人は他人が決めた株価に乗っかって調査を怠けてしまうことになります。
しかし投資として株を買おうと考えているなら、少しでも安全な資産を手に入れるために労力を惜しまないものです。
しっかりと株について調査していない場合、それは調査は怠けている可能性があります。
論理ではなく感情で判断している証拠
論理的に考えればより詳しく知っている株の方が何も知らない株よりも安全に買えるはずです。スマートフォンを買うときに性能や機能を調べてから買うのと調べずに買うのを想像すれば、投資先について詳しい方が有利であることは簡単に分かることです。
しかしながら十分に企業分析をして調査せずに株を買うということは、論理ではなく感情で判断している証拠となります。直感的に買おうとしているからこそ論理を無視することになります。
もちろん株や企業について調べ出せばきりがなく、どこまでも深く調べ続けることができるためその株のすべてを理解するのは不可能です。それでも納得できるところまでは調べることができるはずです。
急いで株を買うにしても十分に調べずに株を買うにしても、論理ではなく感情で判断しているということになります。大切な資産を投資するのに感情で判断するほど恐ろしいことはありません。
3.安全と断言できる事業への投資か
大切な資産を投資するなら、絶対に失わないという確信がなければ投資できないはずです。それなのに安全と断言できる事業への投資ではないというなら、それは投資ではなくギャンブルということになります。
安全性の低い事業への投資は、それだけでギャンブルだと判断できるはずです。
一か八かの事業
ベンチャー企業が新技術を開発してビジネスを展開しているような場合、売り上げがないのに株価だけ異常なほど上昇することがあります。
そんな株を買ってしまうのは間違いなくギャンブルです。
大前提として、まだお金を稼いでいない企業はそもそも企業としては失格です。企業の本質がお金を稼ぐことだと考えれば、どれだけ将来性があってもお金を稼いでいなければ一人前ではありません。
またどれだけ優れた技術を持っていても、その企業が将来有望だとは限りません。技術を使ってビジネスをして効率的にお金を稼げるかは分からないからです。
まだお金を稼いでおらず一か八かとしか思えない企業の株に投資をしているならギャンブルをしていると自覚しましょう。
将来性のない事業
もし将来性のない事業に対して投資をしているなら、それは投資にはなりません。
投資とは長期的なものであり数か月後ではなく数年から数十年を見据えたものとなります。
一時的なブームによって株価が急激に上昇している会社であっても、数年後には潰れてしまう心配があるなら投資をすべきではありません。
もし数年後が心配になるような事業なら、数年以内に撤退する必要があるということです。短期的な株価の乱高下の中で利益を狙うなら投資ではなくギャンブルです。
10年後もお金を稼ぐ事業を展開している企業
投資といえるような事業は、少なくても10年後も安定的にお金を稼いでいるような事業です。
経営環境は目まぐるしく変化するため10年後もお金を稼いでいるような事業を見つけるのは困難です。大企業でさえも簡単に倒産してしまうことを考えれば、必死になって事業を探さなくていけません。
しかしどれだけ大変でも、大切な資産を預ける堅実な投資をするなら長期的に稼ぎ続ける事業を探すことは必須です。
銀行にお金を預けるときに、いつ破綻するのか分からない銀行にお金を預ける人はいません。家を建てたり買ったりするときに、数年後に倒れてしまう心配がある家を選ぶ人はいません。
常識的に考えれば、長くお金を稼ぎ続ける事業に投資することこそ投資であることは明白です。
4.身の丈に合った投資額か
欲張ってしまうと投資ではなくギャンブルに陥ってしまうものです。計画的に投資するのではなく衝動的にギャンブルをしていれば、いつの間にか投資額が大きくなってしまい自分ではコントロールできなくなってしまいます。
投資額が増えればリターンも増える
当たり前のことですが、投資額が増えていけばリターンも増えていきます。そのためリターンを重視してリターンばかりを追いかけていると投資額も増えてしまいます。
投資の場合には資金をコントロールしながら計画的に投資していくため、想定している範囲で投資をすることになります。
ところがギャンブルになってしまうと衝動的に無計画に投資をするため、いつの間にか自分でも想像していなかったほど投資額が増えてしまう場合があります。
投資額が増えればリターンも増えるため、欲に目がくらんでギャンブルをしている場合には投資額も大きくなりがちです。
リスクを負えないほど投資額が増える
ギャンブルとして株を買っているときは、とにかく儲けることしか頭にありません。投資に失敗したときのイメージよりも投資に成功したときのイメージの方が強くなっています。
そのため本来なら負えないほどのリスクになってしまう金額を投資してしまいます。しかし株を買っているときには、リスクよりもリターンの方が印象が強いため、リスクの許容範囲を超えるほど投資額が増えていることに気付きません。
投資額が増えればリターンと同じくリスクも増大することは分かるはずですが、リターンの大きさばかりに注目しているためリスクの増大にはなかなか敏感にはなれません。
投資してからリスクの大きさに気付いて不安になる
ギャンブルとして株を買っている人がリスクの大きさに気付くのは、株を買って時間が経ち冷静になったときです。
ギャンブルをする人がギャンブル中には興奮して自分の状況を把握できていないのに、ギャンブルを終えてから激しく後悔するのと同じです。
株を買った後に不安になっているなら、それはリスクが大きすぎる証拠です。投資してからリスクの大きさに気付いても手遅れです。
そのため投資として株を買うときには、投資額は計画的に決めたものなのかどうかをチェックしましょう。
5.期待できる投資のリターンは合理的な範囲か
投資の結果、想定されるリターンが合理的で妥当なものであれば、それは投資である可能性が高まります。
一方で想定されるリターンが合理的なものではなく通常ならあり得ないレベルに達しているなら、それはギャンブルになっている可能性があります。
リターンの大きさとリスクの大きさは比例する
基本的には株式投資ではリターンの大きさとリスクの大きさは比例します。
リターンの大きさとリスクの大きさが比例するのは当たり前のことです。
リスクに対してリターンの方が大きければ、多くの投資家が選ぶことになるためリターンが小さくなります。またリスクに対してリターンの方が小さければ、多くの投資家はわざわざリターンが小さいのに大きなリスクを取ろうとは思わず、リターンが大きくなっていきます。
つまり市場原理によって基本的にはリターンの大きさとリスクの大きさを比例します。
もし期待できる投資のリターンが合理的な範囲内に収まっていないなら、それはただ単純にリスクが極端に大きいか、隠れたリスクが存在しているか、誰も見つけていないリスクが小さくリターンが大きい投資先である可能性があります。
リターンが極端に大きい場合には理由がある
リターンが大きくなるには理由があり、その理由の多くはリスクの大きさで説明できます。
しかし中には、リスクは小さいのにリターンが大きい投資先があります。
リスクに対してリターンが大きい投資先は非常に魅力的な投資先となりますが、必ずリスクに対してリターンが大きい理由があるはずです。
多くの投資家がリスクやリターンを精査できずに見落としていることがほとんどで、投資先を徹底的に調査した投資家だけが見つけることができます。
論理的で合理的な理由からリスクに対するリターンの大きさを説明できるなら、それは非常に魅力的な投資先になります。
ギャンブルではリターンの大きさを説明できない
ギャンブルとして投資をしようとしている場合には、大した調査もせずしっかりと考えて株を買っていないため、リスクが大きい以外にリターンが極端に大きい理由を見つけることはほとんどできません。
もしリスクに対してリターンが大きい理由を自分なりに見つけることができても、根拠薄弱で合理的な説明になっていない場合がほとんどです。
自分なりの論理を客観的に見たときに矛盾点がなく首尾一貫した論理となっているなら多くの投資家が見つけていない魅力的な投資先を見つけたことになりますが、ギャンブルとして株を買っているならリスクに対してリターンが大きい理由を説明することはできないはずです。
もしリターンが大きく非常に魅力的に思える投資先であっても、リスクが大きい以外にリターンが大きくなる理由を説明できないなら、それはただリターン以上に大きなリスクを背負った分の悪い賭けをしているだけの可能性が濃厚です。
まとめ
株を買うときには最終的に思い切りが必要になります。そのため、長く株を買い続けていると株を買うことに慣れてしまい、思い切りだけで株を買ってしまうことになります。
最初のうちは論理的な思考に沿って株を買っていた人も、気付いたときには感情的に株を買ってしまっている場合があり、もはや投資ではなくギャンブルとなっていることも少なくありません。
当たり前のことですがギャンブルをしていては資産を増やすことはできず、逆に大切な資産を失う原因にさえなってしまいます。
投資として株を買うときには、必ずギャンブルと株式投資の違いを確認する5つのチェックリストを見通して、今から買う株が投資なのかギャンブルなのかをはっきりさせましょう。