株式投資の目標を設定する5つの重要性とは?ゴールのない投資は絶対に失敗する!
株式投資を始める前には、具体的で明確な目標を設定しておくことが非常に重要です、目標もなく株式投資を始めてしまうとリターンやリスクをどれくらい望めばいいのか分からず、投資手法の設定にも悩むことになります。
しかし株式投資をしたことがなければ、どのような目標を設定すべきなのかも分かりにくく、株式投資の目標を設定する重要性も分かりません。
今回は、株式投資の目標を設定する5つの重要性についてご紹介します。ゴールのない投資は絶対に失敗します。
1.投資手法を決められない
投資の目的が定まっていない場合、どのような投資手法を採用すればいいのか判断できません。
株式投資にはさまざまな投資手法があり、投資目的に合わせた投資手法を選ぶ必要があります。
短期投資と長期投資
株式投資は大別すると短期投資と長期投資があります。
短期投資はデイトレードのような投資スタイルで、数時間から数日という短い期間で株を売買することで利益を得ます。短期的に大きな利益を得られる反面、大きな損失が発生する可能性も高くなります。
長期投資は長期間にわたって投資を続けるスタイルで、数年から数十年という長い期間で株を保有することが前提です。株を売らずに保有を続けて配当金を得るということも視野に入ります。
短期投資と長期投資では、同じ株式投資でもまったく違ったゲームを戦うことになります。そのため投資目的に合わせて短期投資と長期投資のどちらを採用するのかを決めなくてはいけませんが、投資目的が決まっていなければ短期投資と長期投資のどちらを採用すべきか決めることができません。
投資の対象
株式投資といっても、投資先はさまざまなです。単純な個別銘柄もありますが、株式に類似した投資信託やETFに加えて社債やリートも投資対象となりえます。
また選ぶ個別銘柄によっても性質は大きく異なります。個別銘柄の性質も考慮して投資しなくてはいけません。
投資目的がはっきりしない状態では、どのような投資対象に投資すべきか判断することができず、投資対象の絞り込みも難しくなります。
投資目的に合わせて投資対象を考えなくていけないため、投資目的が分からなければ投資対象を明確にすることも困難になります。
投資の頻度
投資の頻度は投資の成果や投資のリスクに大きく影響してきます。
投資目的が決まっていれば、早い段階で大きく投資して追加の投資を抑えながら長く運用したり、定期的に少額ずつ投資していくというように投資の頻度も決めることができます。
また入金力は収入や貯金なども関係してくるため、投資の頻度と合わせて考える必要があります。
投資の頻度は投資スタイルに影響しますが、そもそも投資目的が決まっていなければ投資の頻度を決めることもできません。
2.投資期間を決められない
投資手法や投資スタイルに近いですが、投資期間も投資目的と密接に関係しています。
老後の蓄えを作るための投資と1年後に億万長者になるための投資では、投資期間もまったく違ったものになります。
長期的に投資した方がリターンが大きい
一般論でいえば、株式投資では短期的な投資に比べて長期投資はリターンが大きいとされています。
短期投資がゼロサムゲームなのに対して長期投資はプラスサムゲームとなるため、数十年という長期間にわたって投資をすれば誰でも着実にリターンを積み重ねることができます。
そのため投資期間は長ければ長い方が利益を得るためには有効であり、できる限り株式相場に残り続けることが大切です。
一攫千金を狙えない
長期投資は総合的なリターンを高めることができる戦略ですが、損をせずに利益を積み重ねることができる反面、短期的に一攫千金を狙うようなことはできません。
一攫千金を狙うためには短期投資をする方が有効です。
しかし短期投資はゼロサムゲームであり、天才的な投資の才能がないなら一時的に利益を得ても長く続けていると損失で帳消しになります。それどころか税金や手数料で損をする可能性の方が高まります。
もし投資期間をできるだけ短くして大金を稼いで投資を切り上げたいと思っているなら、短期投資を選ぶ必要があります。
投資はストレスになる場合もある
基本的には株式投資は長期間にわたって続けることで利益を積み重ねていくことができますが、一方で精神的な負担があるため長期的に続けることが難しい人もいます。
労働をするわけではないため身体は疲れませんが、精神力が弱ければどうしても情報に振り回されることになります。そして精神がすり減っていきます。
精神力があれば長く投資を続けても苦にならないかもしれませんが、精神的に弱い人や性格的に株式投資が不向きな人なら、長期間にわたって株式投資を続けられない可能性があります。
もし株式投資をする目標がなければ、永遠に株式投資のストレスに耐え続けなければいけないということになります。現実的に考えれば株式投資を放棄することになります。
3.投資額を決められない
株式投資の効率は、利回りだけでなく投資元本によっても決定されます。単純に投資元本が大きければ利益も大きくなり、投資元本が小さければ利益も小さくなります。
投資目標があれば、投資目標に見合った投資元本を用意することもできますが、どうし目標がないならどれくらい投資すればいいのか分からなくなります。
投資元本で利益も決まる
たとえば同じ10%という利回りでも10万円と10億円では違った結果になります。
10万円を10%の利回りで運用すれば1万円の利益になりますが、10億円を10%の利回りで運用すれば1億円になります。
投資元本は投資結果に直結するため、本来なら投資目的に応じた投資元本を用意します。しかし投資目的がなければ、どれくらいの投資元本を用意すればいいのか分かりません。
貯金を投入して投資元本を増やす
投資元本を増やすもっともシンプルな方法が、貯金を投資に充てることです。
貯蓄額が多ければ、その一部を投資元本にするだけでも投資元本を増やすことができます。
ただし投資をするということは、利益を得るだけでなく損失が発生する可能性もあるということです。投資したお金を失う可能性もあります。
投資元本を増やせば、それだけリスクにさらされるお金も増えるということは分かっておきましょう。
労働収入で投資元本を増やす
投資元本を増やす方法は貯金を投入するだけではありません。労働収入を増やして投資元本にするという方法も考えられます。
投資家の中には、投資するための入金力を高めるため転職して収入を増やしたり、副業で投資用の資金を得ている人もいます。
株式投資の目標があれば、目標に向かって投資を実現するために収入を増やすモチベーションも生まれますが、株式投資の目標がなければ収入を増やすでモチベーションを維持することを困難です。
株で一攫千金を狙う、老後の資金を作るといった株式投資の目標がなければ、労働収入で投資元本を増やすことは難しくなります。
4.とるべきリスクとリターンが判断できない
株式投資ではリスクとリターンが密接に関係しており、基本的にはリスクを高めるとリターンも高まります。
株式投資の目標があれば、どれくらいのリスクをとってどれくらいのリターンを狙うのか計算することもできますが、株式投資の目標がなければリスクとリターンを決めることさえ困難になります。
月々10万円を得たい場合のリスクとリターン
具体例として、月々10万円を得たい場合のリスクとリターンを考えてみましょう。
月々10万円を得るためには、年間120万円を得る必要があり、税金や手数料を考慮すれば年間約170万円の利益が必要になります。
米国相場では過去200年の平均リターンが約7%であるため、利回り7%で運用した場合には約2430万円の投資元本が必要になります。
投資元本を増やすことができればさらに安全な投資先を選ぶことでリスクを抑えることができ、投資元本を減らした場合には危険な投資先に投資することで目標を達成することができます。
株式投資の目標が具体的なら、それだけリスクとリターンを細かく計算することが可能になります。
リスク許容度の範囲内で投資できない
投資の目標がない場合、基準となるリスクもリターンも計算することができません。とにかく儲けたいというただ単純な願望に従えば、リスクはどこまでも拡大していきます。
リスク許容度の範囲内で投資できなくなります。
リスク許容度の範囲内で投資できなければ、リスクが顕在化したときに大きな損失が発生することになります。一時的に大儲けできても、1回の損失ですべてを失う可能性もあります。
損失が発生する前に大儲けしたタイミングで投資をやめればいいようにも思えますが、大儲けしているときに投資をやめることは難しく現実的ではありません。
リスク許容度の範囲内で投資することは株式投資で生き残るためには必須ですが、リスクとリターンを計算できないとすればリスクの許容度を超えた投資で身を滅ぼすことは避けられません。
機会損失も発生する
リスクを見積もることができないなら、当然、リターンも見積もることができません。
リスクの許容範囲内で投資をすることばかりを考えれば、リターンを得られるタイミングでリターンを逃してしまい機会損失を発生させる可能性も高まります。
投資目的があれば、割り切って必要なリスクをとってリターンを狙うこともできますが、投資目的がなければリスクをとる理由もリターンを狙う必要性も失われてしまいます。
株式投資においてリスクとリターンの兼ね合いは何よりも重要な要素ですが、リスクとリターンの基準を作ることができないためバランスをとることさえできなくなります。
5.継続的な投資が難しくなる
目標もなく株式投資をすることは、ゴールのないマラソンを続けるようなものです。どれだけ儲けることができても際限がなく、損失が発生すればすぐに逃げ出すことになります。
継続的な投資をするためにも、株式投資の目標は絶対に必要です。
計画通りに投資ができない
とりあえず儲けるために株式投資をしていては、計画通りに投資をすることは不可能です。
投資手法や投資期間も考えず、リスクやリターンも考慮しなければ場当たり的な投資をすることになります。
儲かりそうな投資先に資金を投入し、株価が急激に下がればすぐに狼狽売りをするような投資をしていれば大きな損失が発生するのも当たり前です。
株式投資では計画性が非常に重要となり、計画を遂行することで継続的な投資が実現します。
投資方針をコロコロ変える
投資の目標がなければ投資スタイルにも一貫性がなくなります。投資方針をコロコロ変えるようになってしまいます。
最初は長期投資として買った株を少し値上がりしたからといって短期投資に切り替えて売ってしまったり、短期投資として買った株が値下がりしたため損切りせずに塩漬けにして長期投資にしていては、望むような投資結果は絶対に得られません。
投資目標があれば、投資方針を変えることなく貫くこともできますが、投資目標がなければ投資方針さえ自由に変えることができてしまいます。
大きな目標を作ることで、どちらの方向に向かって進んでいるのかを認識できます。
永遠に投資を続けられない
長期投資の手法の中には、一度、買った株を手放さず持ち続けるというものあります。鋼のメンタルと握力で株を保有し続けることが求められる手法です。
明確な計画もなく意志も薄弱なら、株を永遠に保有し続けるというような投資手法は不可能です。
また短期的に売買を繰り返すような投資手法も終わりがないため、いつかどこかで株式投資をやめてしまうことになります。
株式投資では継続的に投資を続けることで利益を最大化できますが、株式投資の目標がなければ継続的な投資は絶対に不可能です。
まとめ
株式投資をするときには、誰もが願望を持っているものです。短期間に大金を手に入れたい、毎月数万円が欲しい、働かずに投資の利益だけで暮らしたいなど漠然とした願望があるはずです。
そんな願望をより具体的で現実的なものにすれば立派な株式投資の目標となります。株式投資の目標を決めることができれば、方法論を考えることもできます。
もし儲かりそうというようなふわっとした考えで株式投資をしているなら、とりあえず自分と向き合って株式投資を通じて達成したい目標を明確にしましょう。