株価の大暴落時にメンタルとリスクを管理すべき5つの理由とは?含み損では誰も損しない!
株価が大きく下落するときには、資金が減ること自体は投資家に大きなダメージを与えることはありません。大きなダメージを与えるのはメンタルへのダメージとリスクの顕在化であり、メンタルとリスクを上手に管理することが株式投資を続けるためには必要不可欠です。
しかしメンタルとリスクを管理できている人はほとんどおらず、特にバブル期が長く続いていると自分でも気付かないうちに楽観的になりリスクを無視した投資をしているものです。
そこで今回は、株価の大暴落時にメンタルとリスクを管理すべき5つの理由を説明していきます。含み損では誰も損をすることはありません。
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1.精神的な損耗で相場から撤退するから
投資の世界から撤退するのは、大きな損失によって投資する資産がなくなってしまうからということはほとんどありません。多くの場合は、資産を失うことで精神的に損耗して相場から撤退してしまいます。
相場に残ることが重要
株式への投資は、資産運用の中でもトップクラスに効率的な投資となります。株式投資以上に優れた資産運用はありません。
期待リターンが高いため相場に残り続けることができれば、間違いなく資産を増やすことができます。
ここで重要なのが長期的に相場に残ることです。株式投資では一時的に資産が減少することもありますが、長期的には資産が増え続けます。
現金を持っていれば資産が減らないようにも思えますが、インフレすることを考えると現金の価値は目減りしていくため資産を守るためにも資産運用しておくことは非常に重要です。
まずは相場に残ることが非常に重要だということを理解しましょう。
リスク管理の甘さから損失が発生してメンタルが崩壊する
株式投資では一時的に資産が減ってしまうこともあります。リスク分散をして比較的安全な投資先を選んでも急激に資産が減ってしまうことはあります。しかし時間が経てば株価が上昇して目減りした資産を取り戻すことができます。
ところがリスク管理が甘ければ、目減りした資産を取り戻せないこともあります。リスクを無視して高いリターンを求めた結果、安全性が低い資産に投資すれば大きな損失が発生する場合があります。またリスク管理の甘さから株を保有し続けることができず株価が下がってタイミングで狼狽売りしてしまうこともあります。
精神的に大きなダメージを受けるのは、資産が減ったからというよりも甘いリスク管理によってリスク許容度を超える投資をしているからです。
相場に残るにはリスクとメンタルの管理が必要
株式投資ではとにかく相場に長く残り続けることが大切です。相場から離れなければ大きなリターンを得ることができます。
そして相場に残り続けるためにはリスクをしっかりと管理してメンタルケアを行うことが重要です。自分にリスク管理しておけば精神的なダメージを最小限に抑えることができ、急激な株価の下落による資産の目減りにも耐えることができます。
特に株価の大暴落時には、精神面をしっかりと整えることが非常に重要であり、安定した精神を維持するためにはリスク管理も欠かせません。
2.暴落は想像以上の長丁場になるから
過去のチャートを見ていると大きな暴落は一瞬で過ぎ去り、すぐに株価の上昇が起こっているように見えるものです。しかし現実は暴落期は想像以上に長く続きます。
長期間にわたって株価が下落し続ける中で株を手放さずに堪えるには、メンタルとリスクを管理しておくほかありません。
バブル期の楽観的な気持ちでは耐えられない悲壮感
暴落期の前にはバブル期があり、バブル期が最高潮になったところで大暴落が発生します。そして暴落に備えたリスク管理をしているのはバブル期です。
楽観論が蔓延している状態でのリスク管理はどうしても甘くなってしまうものです。
そんな楽観的な考えと甘いリスク管理で暴落期に突入すれば、当然ながら耐えることは非常に難しくなります。
バブル期の楽観的な雰囲気からは想像できないような悲観的な空気に包まれる社会が続くことになります。
暴落期にはバブル期の楽観的な気持ちでは耐えられない悲壮感が漂っていることになります。
暴落期は1.5年~5年は続く
チャートで見ると短い暴落期ですが、実際には想像以上に長く続くことになります。
バブル期の長さや株価の盛り上がりにもよりますが、暴落期は1.5年~5年は続くことになります。
また株価が右肩下がりを続けた後にすぐに株価が上昇するわけではありません。株価が低迷したままの期間が続くこともあるため、実際にはかなり長く暴落期は続きます。
バブル期の投資額が多ければ、それだけ大きな含み損を抱えることになります。そして大きな含み損を株価が上昇するまで抱え続けることになります。
長期間にわたって巨額の含み損を抱え続けるためには、バブル期にもしっかりとリスク管理をして暴落期にも含み損を抱え続ける精神力が必要になります。
リスクとメンタルの管理が甘いと株を底値で手放す
多くの投資家が浮かれているバブル期に一緒に浮かれているとリスクとメンタルの管理がいい加減になってしまいます。そしてバブル期から暴落期に突入して株価が下落し続けるとリスクとメンタルの管理の甘さが露呈します。
株価が下落し続ける期間が長くなればなるほど、大きな含み損を長く抱え続けることになります。
最初のうちは株価の下落にも耐えられていた投資家も時間が経つと耐えることが難しくなり、最後には底値で株を手放してしまうことになります。
家が火事になってから火災保険に入っても意味がないようにリスク管理についてはリスクが顕在化してからでは遅く、リスクが顕在化する前に取り組んでおくことが非常に重要です。
3.レバレッジをかけすぎるとリスク許容度を超えるから
株価が下落して含み損を抱え続けるのは非常に辛いものですが、それ以上に辛いのがレバレッジをかけて投資をすることで追加の証拠金(マージンコール)を求められることです。追加の証拠金を入れることができなければ、その時点で相場から追い出されてしまいます。
リスク許容度の範囲内で投資することが基本
リスク許容度とは、リスクが顕在化したときにリスクを受け入れることができる限界の程度のことです。リスクが顕在化しても耐えることができる範囲を理解しておくことが重要になります。
株式投資に限らずあらゆる投資では、リスク許容度の範囲内で投資することが基本となり、リスクが顕在化しても致命的な損失にはつながらないようにしておかなくてはいけません。
もしリスク許容度を超える投資をしていれば、リスクが顕在化したときに耐えられないだけでなくリスクが顕在化する確率が高まっただけでも耐えられなくなる可能性があります。
レバレッジをかけて投資するのは非常に危険
リターンを大きくするためにはリスクを取ってレバレッジをかける必要があります。ところがレバレッジをかけて株式投資をするということは、自分が許容できない部分に足を踏み入れることになります。
本来、株は有限責任となっておりどれだけ会社が損失を出して株価が下落して会社に価値がなくなっても、株に投資した資金を失うだけで許されるようになっています。
無限責任なら会社が借金をすれば会社の所有者である株主が借金の返済をしなくてはいけませんが、有限責任であるため会社の借金の返済は免除されることになります。
ところがレバレッジをかけて投資をすれば、株式投資の強みである有限責任を失うことになります。なぜならレバレッジをかけるということは資金よりも多い株を間接的に借りて運用することであり、損失が発生すると資金よりも大きな損失が発生して追加の証拠金を請求される可能性があるからです。
レバレッジをかけてリターンを増やすことは効率的に稼ぐための常套手段となっていますが、リスク許容度を超える可能性が高い非常に危険な行為であることも忘れてはいけません。
リスク許容度を超えると相場から強制退場
リスク許容度を超える株式投資をしていてリスクが顕在化してしまった場合、相場から退場しなくていけなくなります。
レバレッジをかけて投資している場合、リスク許容度を超えていれば追加の証拠金を求められることになり、追加の証拠金を支払えない状況に陥ってしまう可能性もあります。
すると借金を抱えることになるため投資どころではなくなってしまいます。それだけの恐怖を植え付けられれば、借金を返済しても再び株式投資をすることは困難になります。
レバレッジをかけてリスク許容度を超えた投資をしていれば、最悪の事態である相場からの強制退場が現実になってしまいます。
4.景気後退で仕事を失う可能性があるから
リスクは株式相場だけに転がっているものではありません。実生活にも存在しているものです。
もし仕事をしているなら、株式相場が下落して景気後退局面に突入することで仕事を失ってしまうことも十分に考えられます
仕事を失えば投資の継続が難しくなる
株式投資をするためには安定した精神と資金が必要です。そして安定した精神と資金を支えているのは仕事であり労働収入です。
特にサラリーマンなら、収入源が給料だけという人も少なくありません。サラリーマンをクビになれば収入源が断たれてしまうことになります。
もし十分に蓄えがあって生活費を捻出しながら投資できる余力があっても、含み損が拡大し続ける中で資金を株式に投入するのはほぼ不可能。理論的には可能でも精神的には耐えることができません。
仕事を失いながら投資を続行することの難しさは少し考えただけでも明らかです。
投資どころか株を売却して撤退する可能性が高い
仕事を失ってからも株に資金を投資し続けることは難しそうですが、株を売らずに持ち続けることはできそうに思えます。しかし実際には株を持ち続けることさえ困難になります。
株価が下落し続ける場面では大きな含み損を抱えることになります。そして株価が下落すれば含み損は大きくなり続けます。
そのため資産が急激に目減りしてしまい、それ以上資産が減ってしまう前に現金にしておきたいという欲求を抑えられなくなります。
仕事をクビになって不安定ならなおさらです。貴重な資金が目減りするのを指をくわえめて眺めていることはほとんどの人にはできません。
暴落期を過ぎれば株価が上昇することを分かっていても、投資を続行するのは困難になります。
精神的なダメージは計り知れない
仕事を失ってしまえば大きな精神的ダメージを受けることは想像に難くありません。加えて株式投資でも含み損を抱えればダブルパンチになってしまいます。
また仕事を失えば職探しに奔走することになります。精神的な余裕があるとは思えない状況となります。
今後の不安を抱えていれば、どれだけ将来的に儲かると思えるチャンスでも今を選ぶことを許されなくなります。
投資を続けるためには、理屈ではどうすることもできない精神的なダメージを絶対に避けなくてはいけません。
5.投資の継続が資金面でも難しくなるから
リスク管理をせずに投資をしていれば、全力で株を買って余剰資金がない場合もあります。すると景気後退局面となって想定していた収入が入らなくなるため投資の継続が難しく場合もあります。
必要なお金が調達できない
いつでも動かせる貯金などの余剰資金があれば、いざというときにも対応することができます。本来はリスク許容度を考えて生活費やいざというときのための資金を残しておくのが基本です。
ところがバブル期には株価が上昇していくため、少しでも株式に投資しておいた機会損失がないため限界まで投資してしまうことがあります。また景気もよくなっているため、高くなった給料が今後も継続して手に入ると考えている場合もあります。
しかし暴落期と景気後退局面が一緒にやってくれば状況は一変します。仕事を失うことはなくても給料が増えることは少なく、収入が減ってしまう可能性があります。
急な出費が必要になっても余剰資金が残されていないため、株価が下落しているタイミングでお金を作るために株式を売却するしかなくなる可能性も十分にあります。
リスクを無視して投資した結果、生活に必要なお金を調達できなくなれば投資の続行は困難になります。
絶好の買い場で追加の投資ができない
暴落期は株がバーゲンセールとなっているタイミングであり絶好の買い場となります。つまり株式投資で一番儲けられるのが暴落期です。
ところがそんな絶好の買い場で追加の投資ができなくなるのが株式投資です。お金が必要になる人が増えるため株が売られていき、一方で株を買う人が少なくなるからこそ絶好の買い場となります。
資金面が苦しい状態で暴落期に突入してしまえば、絶好の買い場で追加の投資ができなくなるため大きなリターンを逃すことになってしまいます。
普通の投資家が買えないからこそ儲かる
株式投資では、大多数の普通の投資家と同じことをしていても大きく儲けることはできません。
多くの投資家がチャンスだと思っているタイミングこそ慎重になり、多くの投資家がピンチだと思っているタイミングこそ勇猛にならなくてはいけません。
多くの投資家と真逆の行動を実現するためには、メンタルとリスクを管理しなくていけません。論理的に考えて自然な感情に逆らう必要があります。
苦しく大変な状況を突破するからこそ大きなリターンを手にすることができます。
まとめ
メンタルとリスクを管理することの重要性は、バブル期にはなかなか感じられないものです。火災保険の重要性に気付くのは火事が起こったときなのと同じです。
メンタルとリスクの管理を疎かにしていると、いざというときには大きな損失を被ってしまう状況に陥ることになります。
含み損だけでは損をすることなく、含み損を抱えた状態で株を売却することで始めて大きな損失を抱えることになります。最終的に株を売却するか否かはメンタルとリスクをどれだけ管理していたのかで決まります。準備をしっかりしていた投資家が最後には笑います。