株式市場の効率性には限界がある5つの理由とは?価値と価格が合っていない株も存在する!

   

株や為替(仮想通貨)の相場の推移を見つめている株のトレーダーと、相場のチャート(グラフ)が表示されたモニタのイラスト

最近ではインデックス投資が大流行しており、多くの投資家がインデックス投資を推奨して投資の初心者が訳も分からなずインデックス投資を開始しています。

もちろんインデックス投資が優れた投資手法であることは間違いありませんが、もし内容を理解せずに誰かが間違いないと言ったからインデックス投資をしているなら、それはどのような投資結果になっても大きな間違いです。

投資では、自分がよく分からないものに投資するほど危険なことはないからです。

インデックス投資の信奉者は市場に勝つことは難しく、アクティブ投資よりもインデックス投資の方が優れていると力説します。しかしそれは本当なのでしょうか。

今回は、株式市場の効率性には限界がある5つの理由をご紹介します。インデックス投資を実践してアクティブ投資を避ける理由が市場の効率性にあると考えているなら、考えを改める必要があります。




Amazonが送料無料になる秘密の裏技とは?

1.基本的に市場は効率的に動く

株式市場の効率性には限界があることは明白ですが、大前提として忘れてはいけないのが基本的に市場は効率的に動くということです。つまり多くの株価は価値を反映したそれなりに妥当な株価である可能性は否めないということです。

ランダムウォーク仮説と効率的市場仮説が基礎

株式投資の基礎の知識として多くの人が理解し、インデックス投資を推奨する人が絶対に説明するのがランダムウォーク仮説です。この仮説では、株価は短期的にはランダムに変動するものの長期的には価値を反映した株価に収斂するというものです。

ランダムウォーク仮説では、市場には数多くの参加者が存在しており、その参加者は株の価値に関する情報を持っていると考えています。そして投資家たちは心血を注いで株を売買するため、株価は企業の価値を正しく反映したものになるとしています。

また投資家が投資する場合には、情報が即座に株価に織り込まれるため瞬時にリターンとリスクが見合った株価に変動するとしています。つまり割安な株や割高な株は存在せず、どの株も基本的には妥当な株価であるとしています。

そのためアクティブ投資では株を売買する回数が増えるため手数料や税金でリターンが下がり、インデックス投資では株を売買しないため手数料や税金によるリターンの減少を抑えることができ、結果的にインデックス投資はアクティブ投資に勝るとしています。

多くの投資家の英知が集結して決定した株価はだいたい妥当

株価は多くの投資家の英知が集結して決定したものとなっています。そのため多くの株の株価はおおむね妥当なものと考えても間違いではありません。

株の話になると難しく思えますが、八百屋の話になると簡単に分かります。

もし目利きの八百屋の店主が売っているリンゴを目利きの主婦が買おうとする場合、リンゴの値段は妥当なところに落ち着きます。八百屋が提示するリンゴの価格はそもそもが妥当なものですが、さらに主婦がリンゴを買うかどうかの判断も加わります。

つまり売り手と買い手が無数にいるため、リンゴの価格は常にチェックされ続けることになります。その結果、売り手と買い手の双方が納得できる価格に落ち着きます。

リンゴの値段のチェックよりも真剣になることが多い株では、さらにチェック体制が厳しくなるため多くの投資家が参加している市場が決定した株価はだいたいの場合で妥当になっていると考えられます。

2.効率的な株価であっても正しい株価ではない

ランダムウォーク仮説と効率的市場仮説には正しい部分も多く、多くの投資家が参加する市場では株価は効率的に変動します。ただし効率的な株価が正しい株価だとは判断できません。

ランダムウォーク仮説と効率的市場仮説には間違いがある

ランダムウォーク仮説と効率的市場仮説が正しいなら、あらゆる株は価値と価格が見合っており、株の売買による損と得は運が影響することになります。そして株の売買を繰り返すと損と得は互いに効果を打ち消し合うということになります。

しかしランダムウォーク仮説と効率的市場仮説は、その大前提に間違えがあります。

多くの投資家が企業の情報を織り込んで正確なリターンとリスクを見極めて、リターンとリスクが釣り合う株価になるまで株の売買をすることが前提となっているランダムウォーク仮説と効率的市場仮説。しかしこの世界に正確なリターンとリスクを見極めることができる人はいるのでしょうか。

確かに投資家たちは手に入れた情報を瞬時に織り込んで株を売買するため、非常に効率的に株価は変動していきます。しかし情報を効率的に織り込んだ株価がリスクとリターンの釣り合った正しい株価であるということにはなりません。

現実には企業に関する好材料や悪材料のニュースによって株価が急激に変動することがありますが、好材料や悪材料のニュースの中には企業価値に大きく影響しないものがあります。それでも株価が急激に変動することがあります。

つまりランダムウォーク仮説と効率的市場仮説は大前提が間違っており、投資家たちがさまざまな情報を瞬時に織り込んで決定した株価だからといって、常に正しい株価だということにはならないということです。

リスクとリターンが見合った正しい株価は神のみぞ知る

市場経済は、”神の見えざる手”によって需給が自然とバランスをとるという考え主流となっており、まさにランダムウォーク仮説と効率的市場仮説もこの”神の見えざる手”を認めている理論です。

しかし神の見えざる手が働いたからといって、リスクとリターンが見合った正しい株価になるかは分かりません。

リスクとリターンが見合った正しい株価を導き出すためには、そもそもリスクとリターンのすべてを明らかにしなければいけません。しかしリスクとリターンのすべてを明らかにすることは不可能です。

たとえば多くの投資家が株を買うときには企業の経営状況を確認しますが、企業の工場がどの場所に建っていてどれくらいの確率で地震が発生するのかは確認しません。また従業員の1人1人がどのような状況で、どれくらい不祥事を起こすのかも確認しません。

もし企業が抱えるあらゆるリスクを織り込もうとすれば、万物を理解した神のような存在でなくては不可能です。当然ながらリターンを織り込むのも同様です。

人類の歴史を振り返れば分かるように、多数の人が賛成していても間違えていることもあれば少数の人しか賛成していなくても正しいことはあります。

そのためリスクとリターンが見合った正しい株価は誰にも分からないということです。

市場経済に貧富の差があることが証拠

もし多くの参加者によってリスクとリターンが見合った正しい株価が導き出されるなら、市場経済に貧富の差が発生することはありません。

多くの人が商品を売買している市場経済でも、商品の値段はリスクとリターンが見合った正しい値段になり、どのような商品を買っても損することも得することもなくなるためです。

しかし実際には明らかに値段の高いものを買う人もいれば、明らかに値段の安いものを売る人もいます。なぜなら市場経済では商品の価値は需要と供給によって成立しているからです。

株も同じです。もちろんある程度は妥当な株価というものがありますが、需要と供給のバランス次第ではリスクとリターンが見合っていない異常な株価になることもあります。

3.投資判断をしているのは人間

もし市場の参加者が全知全能の神々ならば、誰も損も得もしないリスクとリターンが見合った正しい株価が瞬時に導き出されるはずです。

ところが実際に投資判断をしているのは毛が少ないサル。欠点だらけで全知全能かは程遠い欲にまみれた人間たちです。

誰もが真剣に投資しているとは限らない

ランダムウォーク仮説と効率的市場仮説では、前提として投資家は意欲的で常に真剣に投資をしているということになっています。しかし株式投資を始めてみると誰もが真剣に投資しているとは限らないことに気付きます。

その日の気分で株を買う人もいれば売る人もおり、損益計算書も貸借対照表も読めないのに存在するかも怪しいネット上の敏腕投資家の言葉を真に受けて株を買ったり売ったりしている人もいます。

それどころか株を買ったことを忘れて放置している人やすでに死んでしまっている人さえいます。

どう考えても誰もが真剣に投資しているとはいえない状況です。

誰もが真剣に投資していないとなれば、周囲の雰囲気に流されて株価が大きく変動することも十分にあり得ます。

真剣に投資していても間違える

誰もが真剣に投資しているとは限らないとしても、多くの投資家が知識を身に着けて真剣に意欲的に投資している可能性もあります。そんな多くの投資家に支えられれば、企業の価値は即座に正しく株価に反映されるでしょうか。

もし多くの投資家が天才なら、おそらく企業の価値は即座にだいたい正しく株価に反映されるでしょう。しかし投資家には真面目なアホも存在します。

もし間違った株価を妥当だと思う投資家がいれば、その投資家の判断がほかの投資家の正しい判断を打ち消す可能性は十分にあります。

人間はどれだけ真剣に投資していても間違えるときには間違えてしまうため、必ず正しい株価になるとは限りません。

さまざまな条件に制限される

人間の投資家はお金が無尽蔵にあるわけでもなければ、投資に十分な時間を割けるわけでもありません。それぞれ限られた条件の中で投資をしています。

急にお金が必要になれば、投資している企業の業績とはまったく関係なく株を売ってお金を作る必要に迫られることもあります。パートナーが投資をギャンブルと思っており投資嫌いの人だったなら、結婚を理由に株を売却するかもしれません。

現実の投資家は、机上の空論以上にさまざまな条件によって制限されながら投資するため、株価が常に妥当になるかは分かりません。

4.正のフィードバックと負のフィードバックが働く

合理的に考えればどこまでも際限なく状況が先鋭化することはありませんが、多くの投資家が先鋭化することで極限まで先鋭化する不思議な現象が起こります。

アクセルを踏むことでアクセルを踏む正のフィードバック

正のフィードバックとは、プラスの現象が起こること自体がプラスの現象を起こす要因となり、ひたすらプラスの現象が際限なく連鎖的に起こってしまうことです。

核融合や核分裂が代表的な例で、正のフィードバックが起こるとひたすら状況が先鋭化してしまいます。

株式投資でも正のフィードバックが起こります。それがバブルや大暴落です。株価が上昇することが株価が上昇する原因となり、ひたすら株価が上昇し続けたり、株価が下落することが株価が下落する原因となり、ひたすら株価が下落し続けます。

正のフィードバックが働き始めると、そこには賢明な投資家の姿はなく、誰もが半狂乱となって株の価値に関係なく株を売買します。

ブレーキを踏むことでブレーキを踏む負のフィードバック

負のフィードバックとは、マイナスの現象が起こること自体がマイナスの現象を起こす要因となり、ひたすらマイナスの現象が際限なく連鎖的に起こってしまうことです。

株式投資では大暴落して株価が下落した後の停滞です。

株価が完全に下がった状態になると疑心暗鬼になっている投資家は株式投資を控えます。すると株価が変動しないため株を買うことを躊躇ってしまいます。

このとき株は価値に対して価格が下がっていますが、恐怖に襲われた投資家たちは株を買うことができなくなってしまいます。

リスクやリターン自体が新たなリスクやリターンを生み出す

もし正確にリスクとリターンを理解していても、リスクとリターンを理解したことが新しいリスクとリターンを生み出す要因になることも少なくありません。

正のフィードバックと負のフィードバックのような分かりやすい現象も発生するのが株式市場であり、全ての投資家が理想状況下で株式投資をしているわけではありません。

株価の変動が企業の価値を正確に反映しているなら、歴史的なバブルや大暴落は発生しません。歴史的なバブルや大暴落が発生することからも、常に株価の変動が企業の価値を正確に反映しているとは判断できません。

5.市場の正誤とアクティブ運用の是非は全く異なる次元の話

市場に誤りが発生して株の価値と価格が妥当ではない状況が生まれることはバブルや大暴落が発生することからも疑いようがありません。しかし割安な株が市場に存在するからといってアクティブ投資がインデックス投資よりも正しい判断かどうかはまったく別の話です。

アクティブ投資が失敗することもある

インデックス投資を推奨する人の多くは、基本的には割安な株が存在しないと考えています。そのためアクティブ投資が失敗すると考えています。

しかし現実には、市場には割安な株が存在しており割安な株を購入することができればインデックス投資上の成果を達成することは十分に可能です。

しかしそれは割安な株を購入することができた場合のみです。割安な株を購入することができないければ割安な株が存在していてもアクティブ投資がインデックス投資を上回ることはできません。

そのため非常に割安な株があるからといって、そのことだけが投資方針を決定付ける要素にはなりません。アクティブ投資が苦手な人がアクティブ投資をすれば失敗するからです。

アクティブ投資で失敗することが効率的市場仮説を肯定することにもならない

アクティブ投資で失敗している人が多いという事実が効率的市場仮説を肯定する理由にもならないことは明確にしておかなくてはいけません。

アクティブ投資で失敗する原因は、株の価値と価格が常に釣り合っているからではなく、もっとほかの要因が関係しているからです。

そのためインデックス投資の推奨派が語るような完全な効率的市場仮説を鵜呑みにしてインデックス投資をするのも危険なことです。

状況を正確に判断できるならアクティブ投資もインデックス投資も間違っていない

効率的市場仮説が完全な理論ではなく、市場には割安な株も存在しているということを理解しているなら、アクティブ投資もインデックス投資も間違った選択ではありません。

アクティブ投資にはアクティブ投資のメリットとデメリットが存在し、インデックス投資にはインデックス投資のメリットとデメリットが存在しています。

誰もがアクティブ投資に向いているわけでもなければ、誰もがインデックス投資に向いているわけでもなく、個々にアクティブ投資とインデックス投資をしっかりと理解して最適な投資手法を選ぶことが大切です。

そのためアクティブ投資は必ず失敗するためインデックス投資以外の選択肢はないと思い込んでいる人は、自分が本当にインデックス投資について理解しているのか確認しておく必要があります。

まとめ

多くの投資家がインデックス投資を推奨していますが、インデックス投資を推奨する人の中には間違った理論を理由にしている人も少なくありません。

インデックス投資自体は非常に優れた投資手法ですが、インデックス投資を推奨するための理由が間違っていれば、インデックス投資ではなくアクティブ投資をすべき人までインデックス投資をしてしまうことになります。

もし株式市場の効率性には限界があることを知らなかったなら、一度、自分の投資スタイルについて本当に正しいのか自問自答してみましょう。

 - ライフハック・ノウハウ, 資産運用, 株式投資, お金, 悩み , , , , , , , , ,