株式投資のタイミングを見計らうべき5つの理由とは?暴落待ちせずコツコツ積立すると機会損失で大損する!
株式投資では、タイミングを見計らわずに定期的に一定額を積み立て投資するドルコスト平均法が主流になっています。インデックス投資においては非常に優秀な投資方法で、ドルコスト平均法で積立投資することで株を割安に購入することができます。
一方でわざわざ割高の水準にある株をあえて買うことを躊躇する人も多く、大暴落が近づいているなら暴落してから底値で株を購入したいと考えている暴落待ちを狙っている人も数多くいます。
どちらの考え方にも一理ありますが、どちらの考え方を採用すればいいのでしょうか。
今回は、ドルコスト平均法で積立投資をするべきか、それともタイミングを見計らって大暴落後に底値で株を購入するべきか悩んでいる人なら知っておくべき株式投資でタイミングを見計らうべき5つの理由をご紹介します。コツコツ積立すると機会損失する可能性は十分にあります。
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1.暴落後に購入することで大きなリターンを得られる
株式投資においては、価値と価格が乖離している株を買うことが非常に大切です。本来の価値より株価が上がっていれば割高になり、本来の価値より株価が下がっていれば割安になります。
そして大暴落が発生すると、株価は本来の価値より下がるため暴落後に株を買うことで大きなリターンを得ることができます。
大暴落を正確に予測することはほぼ不可能
株式投資においてタイミングを見計らうことはほとんど不可能に近いことです。なぜなら株価の推移は数え切れないほどの不確定要素によって決定しているため、プロの投資家であっても株価の推移はなかなか予測できません。
また大暴落を正確に予測することはほぼ不可能ということになります。もし大暴落が予測できるなら、大暴落が発生する前に株を売る人が現われるため大暴落の予測が早まるためです。大暴落を予測した時点で大暴落が発生し、その大暴落を予測した時点で発生して大暴落を予測した時点で大暴落が発生することになります。
そのため大暴落の時期を正確に予測することはできません。
大暴落は必ず発生する
大暴落が発生するタイミングを予測することはできませんが、一方で大暴落が必ず発生するということは断言できます。
歴史的に見ても、10年に1度の頻度で大暴落は発生しています。この大暴落は景気の循環の中で発生するもので景気後退局面には必ず大暴落が発生します。
そのため大暴落の時期を正確に予測することはできない一方で大暴落は必ず発生すると断言できます。
誰もが大暴落は発生しないと思ったときに大暴落が起こる
大暴落が発生する前にはバブルとなり、株価が急激に上昇していきます。
株価が上昇し始めると、多くの人が大暴落に備えて投資を控えることになります。しかし大暴落に備えて投資を控えている間にもバブルは続き投資した人は大きな利益を手にしていきます。
最初のうちは大暴落を見据えて慎重になっていた人も、周囲がバブルに浮かれて儲けると欲望に駆られて投資をしてしまうことになります。そしてバブルは最高潮を迎え、誰もが大暴落は発生しないと確信して投資家のほとんどが市場に参加したタイミングで、買い手が消えるため株価が停滞。今度は不安に思った人が利益を確定するために売り手に回れば、バブルが崩壊して株式の売却の連鎖が起こり大暴落が発生します。
そのため、もし現時点でバブルか否かが分からず大暴落に備えて株を買い控えるべきか否かに多くの人が悩んでいるなら、まだ暴落は起こりません。ほとんどの人が、もう少し早く投資しておけばよかったと思って投資をしたときに大暴落が発生します。
タイミングを見計らうなら極端な選択をする
大暴落に備えてタイミングを見計らうなら、異常とも思えるほどの極端な選択が求められます。
投資家の多くは一般的な感覚に沿って投資しており、多数派の動きによってバブルが発生したり大暴落したりします。
そのため大暴落に備えてタイミングを見計らうためには、大多数の動きとは正反対に動かなければいけません。異端者や異常者と思われるような決断が求められ、大多数とは反対方向に動くことが正解になります。
もし多くの人が暴落に備えてタイミングを見計らっているなら、今こそ投資するタイミングである可能性が高く、誰もが大暴落は起こらないと信じて投資をしているならそのときには逃げ出さなくてはいけません。
株価指数が30%以上下落してから戻したときが買い
大暴落に合わせて株式投資をするなら、株価が底を打って上昇基調に入ったタイミングで株を買わなくてはいけません。
しかし大暴落によってどのタイミングで株価が底を打ったか判断することが困難。底を打ったと思って株を買っても、さらに株価が下がることさえあります。
基本的には、株の割安感を見極めるしかありませんが、大暴落の場合には株価指数が30%以上、下落ししてから戻してきたときが買いになります。
過去の大暴落では株価は30%以上、下落しており、その後、株価は上昇に転じています。
そのため30%以上の株価の下落が大暴落の目安となります。
2.為替の変動でリターンが拡大する
もし日本株ではなく米国株に投資しようと考えているなら、為替の変動を考えてもコツコツと積み立てるよりタイミングを見計らった方が有利です。
大暴落で円高ドル安になる
米国で大暴落が発生すると、基本的に安全な円が高くなりドルが安くなります。
円高ドル安になると米国株式への投資ではリターンに大きな影響が発生します。
たとえば1ドル =100円が1ドル=50円の円高になったとします。円安局面では1ドル分の株は100円でしたが、円高局面では1ドル分の株は50円となります。
つまり大暴落が発生していなくても、円安なら100円で1ドル分しか株が変えませんが、円高になれば同じ100円で2ドル分の株を買うことができるようになります。
大暴落前の投資は大きな損失になる
大暴落前に米国株を購入していれば、ただ単純に米国株を高値掴みしたというだけではなくなります。
暴落後にはドルの価値が下がるため、株価の下落とドルの下落による二重のダメージを被ることになります。
たとえば1ドル=100円のタイミングで4ドルの株を400円で購入していたとすれば、大暴落で株価が半分になることで4ドルの株は2ドルになり、さらに円高で1ドル=50円になれば2ドルの株は100円の価値になってしまいます。株価で半分の価値になった株式が、さらに為替の変動で価値が半分になり1/4になってしまいます。
米国株に投資して株価が上昇しているときには有頂天ですが、株価が下落したときに為替を考慮していなければ夢から覚めることになります。
つまりコツコツと積み立てていても、あまりにも株価が割高になっているなら、わざわざ割高の株を買って損失を被る必要はありません。
大暴落後の投資は大きな利益になる
大暴落後に米国株を購入すれば、今度は為替によって逆転現象が発生します。
暴落後にはドルの価値が下がるため、株価の下落とドルの下落による二重のリターンを得ることができます。
たとえば暴落後、円高で1ドル=50円のタイミングで半分の価値になった2ドルの株を100円で購入していたとすれば、暴落後の回復で株価が元値になることで2ドルの株は4ドルになり、さらに円安で1ドル=100円になれば4ドルの株は400円の価値になります。株価変動で2倍の価値になった株式が、さらに為替の変動で価値が2倍になり総合的な価値が4倍になります。
大暴落と為替の変動を敵にすれば辛酸をなめるどころか辛酸の海をフリーダイビングで沈むくらいの屈辱を味わうことになりますが、大暴落と為替の変動を味方にすれば甘い汁を吸うどころか甘い汁の海でシンクロナイズドスイミングするくらいの楽しさがあります。
つまりコツコツと積み立てていても、あまりにも株価が割高になっているなら、わざわざ割高の株を買って損失を被る必要はありません。
3.割高な株をあえて買う必要はない
コツコツと積み立て投資をしている人なら、ひたすら積立続けることで最終的には大きなリターンを得ることができます。ドルコスト平均法を用いることで、大きなリターンを確保することは可能です。
しかし明らかに値上がりしている株まであえて買う必要はありません。機会損失恐れるあまり、株を高値掴みして損失を出すのも間違いです。
割高の株を買いたい人はいない
当たり前のことですが割高の株を買いたい人はいません。
多くの人が割安の株を買うことに勤しみますが実際に割安の株を買うのは至難の技です。
そこで多くの人がドルコスト平均法で長期のインデックス投資を行うという王道の投資手法を行います。ドルコスト平均法なら、株価が上がれば株式を少なく、株価が下がれば株式を多く買うことができます。そしてインデックス投資なら長期的には右肩上がりになっているため、大きな失敗することなく大きなリターンを得ることができます。
そのためあえて株式を購入するタイミングを見計らうことなく株式を購入していきます。
ただし明らかに割高になっていると判断できるなら、株式の購入を見計らうことをしてもいいでしょう。わざわざ割高と思っている株を買う必要はありません。
割高を判断することは難しい
株を割高で購入したい人はいませんが、それでも株式をコツコツと積立投資していくのは割高であることを判断することができないためです。
誰もが割安の株と割高の株を見極めることができるなら大金持ちになっています。それができないからこそ株式投資に失敗してしまいます。
そのためドルコスト平均法で長期のインデックス投資を行っているなら、割高を判断することが難しいことの裏返しであるためタイミングを見計らわずに投資を続けましょう。
買い控えるタイミングではなく買い増すタイミングを見計らう
株式の購入のタイミングを見計らうのは、買い控えるときだけではありません。買い増すときにもタイミングを見計らうことは可能です。
株価が割高になっているかどうかを判断するのは難しいですが割安になっているかどうかを判断するのは比較的簡単です。大暴落後なら、株価が割安になっているとある程度は判断できるからです。
そのためドルコスト平均法でインデックス投資を行っているなら、あえてタイミングを見計らうずに投資を続けましょう。そして大暴落が発生すれば、インデックス投資とは別に投資して株を買い増していきましょう。
4.税制上の優遇で株を購入してはいけない
タイミングを見計らわずに株式を購入し続けたいと考えている人の中には、NISAやつみたてNISAで税制上の有利を最大限に生かしたいと思っている人もいるはずです。
しかし税制上の優遇を理由にして株を買うのは本末転倒です。
お得に損するものを買っても損するだけ
NISAやつみたてNISAを使えば、税制上の有利を最大限に利用できるため活用するべきなのは間違いありませんが、株式投資のためにNISAやつみたてNISAを活用するのではなくNISAやつみたてNISAのために株式投資をしているなら本末転倒です。
NISAやつみたてNISAで税制上の有利を最大限に生かすことができても、購入する株式が損をするものなら意味がありません。
NISAやつみたてNISAのために株式投資をするのは、節税対策で高級車を買ったり消費税増税前に必要ない家電を買うのに似ています。税金を逃れるために必要ないものを買うことはムダでしかありません。
そのためNISAやつみたてNISAで税制上の有利を最大限に生かすために株を買っているなら、立ち止まってよく考えてみる必要があります。
株の高値掴みは節税以上のダメージになる
当たり前のことですが、株を高値で掴んでしまうと節税以上に大きな損失になります。
そのため節税を考えて賢く投資しているつもりでも、実は節税以上に大きな損失を被る可能性もあります。あえて損失を受ける理由はどこにもありません。
どれだけ税金を避けたいと思っていても、税金を避けるために損をしていては何をしているのか分からなくなります。税制上の優遇を理由にして株を買っているなら、税制上の優遇を捨てでも株を買うタイミングを見計らうべきです。
5.株価が割高なら株を買っても買わなくても機会損失になる
大暴落前に株を継続的に購入することを推奨する人は、株式へ投資しないことで機会損失が発生すると説明します。しかし実際には、株式へ投資しないことで機会損失が発生する一方で、株式へ投資することでも機会損失が発生してしまいます。
暴落までの機会損失
大暴落は必ず起こりますが、大暴落がいつ起こるかは誰にも分かりません。そのため大暴落を恐れて投資をしなければ、投資していない期間だけ機会損失することになってしまいます。
そして機会損失する期間がどれだけ長くなるかは想定できず、大きな損失が発生してしまう可能性は少なくありません。
また人間は、機会損失よりも損失を恐れる傾向にあるため、大暴落による損失を過大評価して大暴落までの機会損失を過小評価する傾向にあります。その結果、機会損失は大きくなってしまいます。
そのため大暴落が起こることは分かっていても、損失を恐れずに機会損失を防ぐことが最適だと考えられます。
暴落後の機会損失
機会損失を逃さないために大暴落前に投資を続けていれば、当然ながら手持ちのキャッシュは少なくなります。すると大暴落後には、割安になった株を買えなくなってしまいます。
つまり大暴落前に投資を控えることが機会損失になる一方で、大暴落後に投資できないことも機会損失になってしまいます。
大暴落前に投資をしても大暴落後に投資をしても、結局のところ機会損失が発生することには変わりません。
リターンとリスクを株価で判断する
大暴落前に投資をしても大暴落後に投資をしても、結局のところ機会損失が発生することには変わらないなら、リターンを最大化してリスクを最小化する判断を下さなければいけません。
リターンとリスクについては株価で判断するしかありません。
さまざまな指標を使って株価が割高だと思ったなら株式投資は控えるべきです。完全に株式投資を止めるのではなく、投資額を減らして大暴落後に株を買うためのキャッシュを蓄えるのも賢い選択です。
結局のところ株からリターンとリスクを判断してタイミングを見計らいながらとしていくことが最適になります。
投資を始めようと考えているなら大暴落を待つのもアリ
まだ株式投資を本格的に始めておらず、これから株式投資を始めようと考えているなら、機会損失が発生しても大暴落を待つのも大いにアリです。
株式投資の初心者が、大暴落前に株式を購入していると暴落時には資産が大きく目減りすることになります。資産が大きく目減りする中で投資をすることは非常に難しく、経験のある玄人の投資家でも恐怖心に負けて買い増しどころか狼狽売りしてしまうことさえあるほどです。
しかし株式は持っておらず株価の下落に恐怖を感じないなら話は別です。大暴落を経験しておらず他人事のように扱えるからこそ恐怖心に負けない思い切った投資が可能になります。
つまりまだ株式投資を初めていない株式投資初心者は、資産を減らさずに大暴落時に株式投資ができるという株式投資家には一度しかないチャンスを持っているということになります。
もし恐怖心に負けてしまう可能性があるなら、機会損失を被っても本格的な投資は控えて大暴落時に備えるのも有効な戦略です。
まとめ
タイミングを見計らいながら株式投資をするのは非常に難しいですが、明らかに株価が上昇していたり下降していたりすれば株式投資のプロでなくてもある程度を判断することができます。
わざわざ株式が割高になっているときに株式を購入する理由はなく、無理に株式へと投資するのではなく株式以外のものに投資をするのも有効な戦略です。
もし株式投資のタイミングを見計らうべきかどうか悩んでいるなら、その時点で確信を持った株式投資はできないはずです。そして確信がないのに大切な財産を投資するのは大きな間違いの始まりです。
自分の中で納得できる理由が見つからないなら、とりあえずは株式投資を控えてタイミングを見計らっておきましょう。