株式投資の短期予想は無視してひたすら積み立てるべき5つの理由とは?経済学者やエコノミストは貧乏人なのが答え!
経済ニュースや雑誌などでは、今後の株価の推移を予想したり値上がりが予想される銘柄をピックアップしたりしています。株式投資をしていれば、そんな株式投資の予想や予測は気になるもので、ついつい信じてしまう人も少なくありません。
特に有名大学の経済学者や大手金融機関のエコノミストがそれらしいことを言っていれば、信じてしまうのも仕方ないかもしれません。
しかしついつい信じたくなる株式投資の短期予想は、天気予報よりも当たらないので絶対に信じてはいけません。
今回は、長期の株式投資をする人だけでなく短期の株式投資をする人まで絶対に知っておきたい株式投資の短期予想は無視してひたすら積み立てるべき5つの理由をご紹介します。急がば回れとはまさに株式投資のための言葉です。
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1.株式投資の短期の予想はできないから
まず大前提として知っておかなければならないのが、株式投資の短期の予想はできないということです。
明日の株価の推移は不確定要素が多すぎる
一般的に株価の推移は長期的に見ると右肩上がりになっていますが、短期的に見ると激しく乱高下しています。
その理由は、短期的な株価の推移を決定付けるのは不確定要素だからです。
たとえばある銘柄の明日の株価の推移を予想するときには、さまざまな不確定要素を考慮しなくてはいけません。
その企業の業績や将来性といったファンダメンタル分析は当然のこと、直近のトレンドといったテクニカル分析も欠かせません。
もっといえば、世界中の投資家の思惑や事情も株価の変動に大きな影響を与えます。なぜなら株価の推移とは関係なく、お金が足りない、株式投資が面倒になった、旅行で株式投資ができないなどの理由で投資家が株式を売買しない可能性も十分にあるためです。
株価の変動を決定付ける要素は無限に存在しています。どこかの投資家の思い付きで株価が大きく変わることさえあります。
その結果、株価は合理的にも非合理的にも変動することになり、短期的に株価の推移を予想することは極めて困難になります。
長期の予想は可能
数多くの不確定要素によって推移する株価ですが、ノイズとなる不確定要素は時間が経つと互いに打ち消し合います。そして本来の企業の競争力などのファンダメンタルズによって株価は決定されます。
そのため短期的な株価の推移を予想することは不可能ですが、長期的な株価の推移について予想することは可能です。
つまり長期的な株式投資において正攻法である定額の積立こそが最適になります。
10年未満の期間の予想は困難
経済ニュースや雑誌で紹介されている株価の予想の多くは、1年未満の非常に短いものです。長いものでも数年先までで、長期とはいえません。
多くの人が株式投資における短期と長期の範囲の目安を知りたいと思いますが、残念ながら分かりやすい明確な線引きは存在しません。
ただし好景気と不景気の循環は10年ほどの期間で繰り返されているため、最低でも10年以上でなくては長期の予想ということにはなりません。つまり10年未満なら短期の予想ということになります。
そのため経済ニュースや雑誌などで紹介されている株価の予想や予測はほとんどが短期の予想となっており、基本的には信じるに値しない予想ということになります。
2.経済学者やエコノミストは情報を売るのが仕事だから
経済ニュースや雑誌で紹介されている経済学者やエコノミストの意見をありがたがって拝聴している人は少なくありませんが、経済学者やエコノミストが本当に株価を予想できるなら大金持ちになっていて、わざわざ経済学者やエコノミストを続けている理由はありません。
経済学者やエコノミストの獲物は投資家
それらしいことを堂々と語る経済学者やエコノミストですが、その標的は株価ではなく不安に怯える投資家です。
経済学者やエコノミストが儲ける方法は、投資家の前で話をしたり本を売ったりすることです。決して値上がりする銘柄を的中させることではありません。
もし経済学者やエコノミストが本当に自分の意見に自信があるのなら、自分で株を買って儲けているはずです。
ゴールドラッシュのときに金を掘るのではなく、採掘者にスコップやジーンズを売っていた業者と同じです。
経済学者やエコノミストの収入源を見れば、信じるべき相手か否かは判断できるはずです。もしそんな判断もできないなら、大事な資産を株式投資に投じるという判断もするべきではありません。
買いを推奨する経済学者やエコノミスト
経済学者やエコノミストは、基本的に買うべき銘柄を推奨します。売るべき銘柄は推奨しません。
なぜなら投資家に株を買わせれば証券会社が儲かり、投資家に株を売らせて利益を確定させても証券会社は儲からないためです。
そのため経済学者やエコノミストの基本的なスタンスは買うべき銘柄を推薦するということになり、投資家が株を買うことで儲けた金融機関から経済学者やエコノミストは間接的にお金を貰えるようになっています。
もし公平に株式の売買について意見するなら、買いのタイミングだけでなく売りのタイミングも推奨するはずですが、売りのタイミングを教えてくれる経済学者やエコノミストはほとんどいません。
当たれば声高、外れれば後付けの理由
経済学者やエコノミストが値上がりする銘柄を予想した場合、その予想が当たることもあれば外れることもあります。
もし予想が当たれば経済学者やエコノミストは声高に予想が的中したことを喧伝します。たまたま当たっていても、当然ながら分析の結果であると宣伝します。
もし予想が外れれば経済学者やエコノミストは外れた理由を後付けします。事件、事故、不祥事、急激なトレンドの変化、経済状況の変化など予測不可能な事態は溢れているため、後付けの理由には困りません。
経済学者やエコノミストが経済ニュースや雑誌で語る経済予測は、走る自動車のバックミラーから見えた景色からどのように進んでいるか説明しているようなものです。バックミラーの景色が連続したカーブならそのままカーブが続くと考え、直線なら直線が続くと考えるようなものです。
そして経済学者やエコノミストが予測を間違えたときには、その失敗のツケを払うのは経済学者やエコノミストではなく予測を信じた投資家です。
株価の推移の予想や予測が外れても責任は取らない
経済学者やエコノミストが値上がりする銘柄の予想や予測を外しても、経済学者やエコノミストは責任を取りません。
まず経済学者やエコノミストは不確定要素を後付けの理由にして銘柄の予想や予測の妥当性を主張します。そして銘柄の選定は自己責任であるとして、投資家に責任を押し付けます。
もっといえば、そもそも銘柄の予想や予測が外れたとしても、そのときには投資家自身が銘柄の予想や予測のことを忘れてしまっています。
誰も予想が外れた責任を取らず失敗のツケを払うのは投資家ということになれば、経済学者やエコノミストが無責任に意見を述べるのも自然なことかもしれません。
3.株価の予想や予測に一喜一憂してしまうから
経済ニュースや雑誌で紹介されている経済学者やエコノミストの値上がり銘柄予測や株価予想は、信じないどころか無視するべきです。なぜなら人間誰しも株価の予想や予測を知ってしまうと一喜一憂してしまうためです。
株式投資は平常心が大事
株式投資において求められるのは鋼のメンタルです。つまり何が起こっても動じない精神力による平常心です。
株式投資においては平常心が非常に大切であるため、平常心を損なう可能性のある株価の予想や予測は害にしかなりません。
株価の予想や予測で考え方を変えられないと思っていても、知らない間に影響されてしまうものです。銘柄を選定するときなどにも事前に入手していた余計な情報が邪魔になる可能性は否定できません。
トリッキーな投資ではなく王道の長期投資を行うなら、あまり余計な情報は必要ないどころか不要です。
衝動的に株を売ったり買ったりしてしまう
確実に儲けるための長期投資では、購入した株式を永久保有するくらいのつもりで持ち続ける必要があります。
ところが心をかき乱す余計な情報に晒されてしまうと衝動的に株を売ったり買ったりしてしまう可能性があります。
余計な情報で基本的な方針が揺らいでしまうだけでなく、予想が的中してしまえばいよいよ根拠不明の情報を信じてしまうことにもなりかねません。
もし予想通りに銘柄が値上がりすれば、それが偶然であったとしても損をした気分に、次の予想を無視するのは難しくなってしまいます。
衝動的に株を買ったり狼狽して被ったりしないように、余計な情報に対する耐性を身につけておく必要もあります。
4.長期投資に短期予想は関係ないから
メディアが流す株価に関する情報のほとんどは短期的な予測です。なぜなら20年後の株価の推移を予想しても、誰も興味を持たないためです。手っ取り早く儲けたい投資家の多くは、20年後に儲かる株ではなく半年後に儲かる株を求めています。
しかし長期投資をするなら短期的な予想は気にする必要がありません。
20年間投資するなら1年間は5%
もし長期投資で20年間投資を続けるなら、1年間は投資期間のうちの5%に過ぎません。
その5%の投資期間の予想に振り回されているようでは、長期投資を続けることは困難といえます。
長期投資においては短期の株価の推移は関係ありません。むしろ株価が乱高下した方がお得に株を買えることさえあります。
そのため短期の株価の推移を気にする必要がなく、短期の予想を気にする必要もありません。
ドルコスト平均法で買えば問題がない
少しでも多く儲けたいと考えるなら、株価が安いときに買って高いときに買い控えるのが最適だと考えます。
しかし実際にはタイミングを見計らって株価が安いときに買って高いときに買い控えるのは困難であり、株価の予想ができるなら誰でも大儲けすることができます。
普通に考えれば無理な株価が安いときに買って高いときに買い控えるという方法ですが、ドルコスト平均法で買い続ければ株価が安いときに買って高いときに買い控えるという理想的な株の買い方が実現できます。
ドルコスト平均法の実践は非常に簡単で、定期的に定額の株を購入し続けるだけです。つまり長期的な積立がドルコスト平均法ということになります。
短期的な予想を気にせずにドルコスト平均法で株を買い続ければ、株価が安いときに買って高いときに買い控えることができるため短期予想を気にする必要はありません。
5.長期投資をすれば必ず儲かるから
さまざまな研究で明らかになっている事実は、長期投資をしていれば必ず儲かるということです。そして短期投資よりも長期投資の方が効率的に儲かるということです。
短期投資は手数料や税金を奪われる
短期的な株価の推移の予想を信じて株式の売買を繰り返していれば、当然ながら手数料や税金が奪われてしまうことになります。
そのため短期的な株の売買で大きな利益を出すことは非常に難しく、一部の才能のあるデイトレーダーなどしか実現できないのが現実です。
世界でもトップクラスのデイトレードの知識と技術を磨き、四六時中、相場のことを考えることができるなら短期投資でも儲けることができるかもしれません。
しかし普通に仕事をしていて株のことばかり考える時間もなければ投資する時間もないなら、短期投資で儲けるのは困難です。
システム的に短期投資をすれば手数料や税金で資金を奪われてしまうことになるため、短期投資で儲けるのは不可能ではありませんが困難ではあると断言できます。
長期投資なら過去200年以上儲かっている
米国の株式市場においては過去200年以上、右肩上がりで株価は上昇し続けています。
右肩上がりの株価の上昇は歴史的な事実であり、同時に第一次世界対戦、第二次世界大戦、ドットコムバブルやリーマンショックといった数々の大不況も乗り越えています。
そのため長期投資は非常に信頼性が高く、確実と言っていいほど儲けることができます。
もし米国市場での長期投資で儲けられないなら、それは人類が滅亡に向かうときでありお金のことを心配しても仕方ない状態です。
何も考えずにひたすら定額を積み立てる
長期投資において非常に大切なのは、何も考えずにひたすら定額を積み立てるということです。
誰でもできる非常に簡単なことですが、多くの人がなかなか実現できません。なぜならあまりにも簡単すぎて、途中で余計なことをしたくなるためです。
経済ニュースや雑誌などで経済学者やエコノミストが値上がりする銘柄を予測するのが、まさに余計なこと。欲に目が眩んで、長期投資の資金をわけのわからない投資先に突っ込んで自滅していく投資家は後を絶ちません。
それはまるで焚き火に突っ込んで燃えてしまう蛾のようなものです。
もしあなたが賢明な投資家なら、危ない炎には近づかないようにしましょう。
下心を出さずに、諸行無常の気持ちで何も考えずにひたすら定額を積み立てるだけです。
まとめ
テレビや雑誌で特集される値上がり銘柄の予想などの儲け話は、絶対に信じないようにしなくてはいけません。儲けることのできないほとんどの投資家は、ついつい値上がり銘柄の予想を信じて自滅してしまうものです。
長期的に株式投資を続けていると大事な資産のはずの資金が、慣れによって緊張感を失い理解不能な投資先へ突っ込まれることも少なくありません。
そのため夜中にラーメンを食べてしまったり、お酒やタバコをやめられなかったり、ダイエットが成功しなかったり、運動が続かなかったりと誘惑に負けてしまった経験があるなら、株式投資の短期予想は無視してひたすら積み立てる誓いを立てて順守するようにしましょう。