高配当株で含み損を避ける5つのチェックポイントとは?危険な高配当株に投資を続ける危険性に注意!
長期的な株式投資や不労所得を狙う人に大人気なのが高配当株。高い配当金によって優れた利回りを発揮して、継続的に不労所得を得続けることができると大人気です。
ところが高配当株の中には投資を続けると含み損が発生してしまい、お金持ちになるところか貧乏になってしまう危険な高配当株も存在します。
今回は、高配当株で含み損を避けるためのチェックポイントを5つご紹介します。
1.配当金が安定していない
どれほど高配当株であっても配当金が安定していないなら投資を続けることは非常に危険です。なぜなら高配当株ではなくなってしまう可能性があるからです。
配当利回りは株価と配当金で決まる
配当利回りは株価と配当金によって決まります。具体的には、
配当金÷株価=配当利回り
となります。
たとえば1株1000円の株式の配当金が100円だった場合、配当利回りは10%ということになります。
高い配当利回りを実現している高配当株は、株価と配当金次第で変化するということになります。
配当金が減ると配当利回りが減る
配当金と配当利回りの関係がわかれば、配当金が減ってしまうと配当利回りが減ってしまうことも理解できるはずです。
配当金が安定していない株は、無計画でデタラメな配当金を出すことも少なくありません。一時的に配当金が増えていても、突然、配当金が減ってしまうこともあり、想定していた配当金が継続して支払われない可能性も十分にあります。
そのため配当金が安定していない高配当株は、一時的には高配当株であっても配当金が減ることで配当利回りが減って高配当株ではなくなってしまうことは十分にあります。
大きな減配リスクを抱えている
ここ数年は配当金が安定していたとしても、過去に配当金が増えたり減ったりしていれば、高配当株投資には不向きな銘柄となってしまいます。
高配当株投資では、10年以上の長期的な安定した配当金によって利益を得ることを目指します。
そのため過去に配当金が安定していなければ10年以上という長期間に渡って高配当を続けてくれるという確信は持てず、常に大きな減配リスクを抱えていることになります。
10年以上も配当金が減ってしまわないか心配し続けることになります。
優良な高配当株の中には、50年以上も配当金を増やし続けている連続増配当株があります。長期間にわたって配当金を増やし続ける連続増配当株なら減配リスクを減らすことができます。
2.株価が右肩下がり
たとえ配当金が増え続けるような連続増配当株であっても、必ずしも優れた高配当株にはならない場合があります。株価の右肩下がりも危険です。
株価が下がれば高配当株になる
配当利回りは株価と配当金によって決定しており、株価に対して配当金が多ければ高い配当利回りということになります。
つまり配当金が増えなくても株価が下がれば高配当株になります。
そのため配当金が多いと思って買っていた株が、実は株価が下がっているだけだったということもありえます。
優秀な企業なら株価が下がっていればお買い得ということにもなりますが、優秀ではない企業なら株価が下がるということはそれほど価値のない銘柄であるということの裏付けになります。
自らの身を削って配当金を出す
株価が一時的に下がっているようならいつかは株価が上がることも想定されますが、問題は株価が右肩下がりの場合です。株価が右肩下がりということは、再び株価が上昇することが見込めないということになります。
つまり出している配当金はビジネスによって得た利益ではなく、自らを食いつぶしているような状態ということになります。
タコは空腹になると自分の足を食べてしまうことがありますが、同じように企業の中にも業績が上がっていないにもかかわらず株主のために無理やり配当金を出す企業があります。
もちろん配当金が出ていても株価が下がっているため意味がありません。
証券界では、タコが自分を食べるように配当金を出すことをタコ足配当やタコ配と呼びます。
タコ足配当をしている銘柄は、もちろん高配当株投資にはふさわしくありません。
キャピタルゲインの損失がインカムゲインの利益を上回る
株価が右肩下がりでもそれ以上に配当金が出ていればキャピタルゲインとインカムゲインを総合した利回りとしてはプラスになります。ところが右肩下がりの株価の場合、配当金が出ていてもキャピタルゲインの損失がインカムゲインの利益を上回ってしまうことが少なくありません。
キャピタルゲインの損失がインカムゲインの利益を上回り続ければ、トータルの利回りはマイナスとなってしまいます。つまり含み損を抱えた状態になってしまいます。
高配当株投資では配当利回りを重視して株価を軽視する傾向にあるため、気を付けなければ含み損を抱えることがあります。
3.一時的に株価が下がっている
一時的に株価が下がることで高配当に思える銘柄も、継続的に買い続けることになる高配当株投資には向いていません。
株価の上昇で配当利回りが下がる
しっかりとした実力を兼ね備えながら、一時的に株価が下がっている株は、将来的に株価が上昇することが予想されます。
そして株価が上昇すれば当然ながら配当利回りは下がります。
一時的に株価が下がることで配当利回りが上がっているような銘柄には、増配も期待できないため配当利回りは下がったままの状態となります。
継続的に買い続けることを考えると、一時的に株価が下がることで配当利回りが上がっている銘柄も高配当株投資には向いていません。
買い続けなければ大きな利益になる
同じ銘柄を継続的に買い続けることを前提とすれば、一時的に株価が下がっている高配当株を購入することは高配当株投資には不向きになりますが、状況を確認しながら配当利回りが下がったタイミングで購入を見送れば大きな利益を得ることができます。
株価の上昇によるキャピタルゲインに加えて、高い利回りによるインカムゲインも獲得することができます。
そのまま持ち続けて高利回りを享受するもよし、売却して大きな利益を確定するもよしという状態になります。
一時的に株価が下がることで高配当になっている銘柄は、高配当を目的として継続的に買い続けるには不向きですが大きな利益を生み出すことができることは確かです。
4.利益を出していない
大きな利益を出していない企業の株式は、将来的にも安定して配当金を出し続ける可能性は非常に低くなります。
配当金は企業の利益の一部
企業の所有者が株主だと分かれば理解できますが、企業は株主に利益を与えるために存在するものです。
企業が株主に利益を与える方法は大きく分けて2つあります。1つ目は成長による株価の増加であり、2つ目は配当金です。
企業はビジネスを行うことで得た利益を配当金にするのが一般であり、株主に対して配当金で還元を行うことが存在意義でもあります。
そのため配当金は企業の利益の一部ということになります。
利益の縮小は配当金の縮小につながる
配当金は企業の利益の一部です。つまり利益が縮小すれば配当金も縮小します。
高配当の株であっても企業が利益を上げていなければ配当の原資がなくなります。つまり配当金が減らされる減配に陥ってしまう可能性があります。
配当金が減ってしまうと高配当ではなくなってしまうため高配当株投資には不向きになります。
利益の縮小はそのまま入っておきの縮小にもつながるため、高配当株投資では利益を拡大し続けている高配当株を狙うことも大切になります。
5.持続可能性が怪しい分野
たとえ安定して高配当を持続していても、その企業の主力事業の先行きが不透明なら業績が悪化してしまう未来を避けることはできません。そして業績が悪化して利益が減少すれば配当金も減ります。
高配当株投資は長期間の保有が前提
一般的に高配当株投資では株式は長期間に渡って保有することが前提となります。
株式の保有期間は10年以上も当たり前。中には一生、高配当株を手放すつもりはないと考えている人もいます。
そのため高配当株投資では、投資期間中に社会情勢が大きく変化してしまうこともあります。将来を見据えて高配当株を選ぶ必要があります。
縮小傾向にある産業は注意が必要
社会情勢が変化してしまうとするまで安定的に稼ぐことができていた主力事業が時代と適合しなくなってしまうことも考えられます。
例えばタバコメーカーは高配当株として知られていますが、たばこ産業は斜陽産業であるとも考えられているため今後は利益が十分に出せない可能性もあります。
利益が出なければ配当金が減るだけでなく投資する価値がなくなるため株価も低下します。キャピタルゲインとインカムゲインの両方が減少して大きな損失につながってしまう可能性もあります。
成長産業は高配当株になりにくい
高配当株投資では斜陽産業に気を付ける必要がありますが、だからといって成長産業を支える企業に投資すればいいというわけではありません。
成長産業を支えるような成長企業は、授業で得た利益を配当金ではなく事業拡大に使用します。そのため配当金を出さない企業も少なくありません。
また明らかに成長産業であることが誰にでも分かれば、株価が割高である可能性もあります。
つまり高配当株投資では、斜陽産業を避けつつ成長産業も避ける必要があります。
持続可能性が重要
高配当株投資では持続可能性の高い長期に渡って事業が継続される分野が最適になります。
斜陽産業でいつか主力事業の分野自体が消滅してしまっては意味がありませんが、成長産業のように急激に拡大してしまうと配当金には期待できなくなってしまいます。
そのため高配当株投資では、成長することもなく成長することもなく長期間に渡って持続するような分野が最適になります。
高配当株投資をする際に採用される銘柄の多くは、誰もが利用したことのある食品や日用品を取り扱っているメーカーが多いですが、その理由は食品や日用品は持続可能性という観点では非常に優れているからにほかありません。
縮小していてもしっかり利益を出せているなら問題はない
しっかりと配当金を出し続けてくれているなら、企業が事業を展開している分野が縮小していても問題はありません。
あらゆる分野が将来的にいつまでも存続する可能性はなく、いつかは斜陽産業となって最終的に消え去ります。
そのため斜陽産業になっても衰退するスピードが遅ければ、その分野が消滅するまでに配当金で十分な利益を出すことができるかもしれません。
縮小傾向にある斜陽産業であってもしっかりと利益を出せているなら配当金にも期待することができるため大きな問題にならない可能性もあります。
主力事業の転換の可能性もある
衰退するスピードが遅ければ事業転換するための猶予があるということです。主力事業をうまく乗り換えて転換することができれば、再び大きな利益を上げて配当金を増やしてくれる可能性も十分にあります。
例えばたばこ産業は、健康志向によって衰退の一途をたどっていますが、タバコ人気は根強いためすぐにタバコの需要が急激に小さくなるとは考えられません。
そしてタバコに変わる嗜好品が必要になるため、タバコメーカーがタバコに変わる嗜好品を提供することができれば、タバコメーカーは今後も継続的に大きな利益を出し続けて配当金を出し続けてくれることにも期待できます。
斜陽産業であっても衰退のスピードが遅く主力事業の転換の可能性があるなら高配当株投資に向いている銘柄になる可能性もあります。
まとめ
高配当株投資初心者は、配当利回りだけを見て銘柄を選定することも少なくありませんが、配当利回りだけを見ていると思わぬ大失敗につながる可能性もあります。
配当金が減ってしまったり株価が下がって含み損を抱えてしまう可能性もあるため、配当利回りに目がくらんで堅実な高配当株投資ができなくならないように注意する必要があります。
どの銘柄を選べばいいのか分からない場合には、連続増配を長年に渡って続けている銘柄や誰もが知っているような有名企業の高配当株を選びましょう。
確実にコツコツと利益を積み重ねることができると思われている高配当株投資ですが、銘柄選定に失敗すると含み損を抱えてしまうどころか配当金を得られなくなってしまう可能性さえあるため十分に気を付けて銘柄選定を行いましょう。