部屋を自分でDIY防音する簡単な方法とは?賃貸物件でも壁やドアを安くで防音対策!
外からの音がうるさい場合や部屋内の音を外に漏らしたくないとき、部屋を防音化することで音問題を解決することができます。しかし防音工事をしようと思えば高い工事費がかかってしまい、工事できない賃貸物件では不可能です。
そこで今回は、お金をかけず壁やドアにちょっとした防音対策を施すことで賃貸物件の部屋でも自分でDIY防音する方法をご紹介します。
音の種類
防音をする前に、2つある音の種類について理解しましょう。音の種類に違いがあることが分かれば、それぞれの音に合わせた効果的な対策ができます。
固体音
音は物体が振動することで発生するものですが、振動するものが変われば音の伝わり方も変わります。
1つ目の音が固体音。固体が振動することで伝わる音です。
具体的には、部屋で歩いたりジャンプしたりすることで床や壁が振動し、その振動が別の部屋へと伝わることで起こる音。空気(気体)よりも固体の方が振動を素早く遠くに伝える性質があるため、迷惑な生活音の中でも問題になることが多い音です。
固体音は、発生した振動を抑えるのではなく、振動そのものを発生させないようにすることで効果的に防ぐことができます。
また部屋から出ていく音を小さくする際には固体音を抑えることが重要になります。
空気音
固体音に対して空気音は、空気を伝わって届く音。
具体的には、話し声やスピーカーから出た音がこれに当たります。振動が伝わるスピードや範囲は固体音に比べて狭いですが、日常生活の中で空気音を抑えることは難しく発生場所や伝わる音の方向もさまざまです。
空気音は壁や床に当たることで固体音に変化して伝わります。
また部屋に入ってくる音を小さくする際には空気音を抑えることが重要になります。
防音するポイント
部屋全体を工事して完全防音できればいいですが、自分で工夫して安く部屋を防音しようと思えばそんなことはできません。いくつかポイントを絞ることで、効果的に防音します。
床
騒音問題でもっとも原因になるのが床。歩く音やジャンプする音など、部屋の中を移動するときには必ず音が発生します。
そのため床の防音は部屋の防音の基本となります。
壁
床と並んで騒音問題の原因になる壁。壁自体が薄ければ、固体音がなくても空気音が伝わってしまいます。
壁の防音は難しいように思えますが、アイデア次第で防音することは可能です。
ドア
出入り口となるドアは、壁に比べて薄くなっているため音も出入りしやすいポイントです。
またドアの開け閉め自体も大きな音を出す原因になります。
窓
ドア同様に壁に比べて薄い窓も防音対策を施すうえで重要なポイントです。
家電
部屋の中で騒音を発する可能性が高いのが各種の家電です。テレビ、パソコン、オーディオプレイヤーなど音を出すことが機能となっている家電だけでなく、冷蔵庫、エアコン、洗濯機などからも音が出ます。
これらの音を改善することで騒音を抑えることができます。
自分自身
自分自身を防音化することでも防音することができます。
「自分自身を防音化」というとおかしな表現ですが、例えば話し声を小さくしたり歩くときに気を配ったりするだけでも音を小さくすることができます。また出ていく音だけでなく入ってくる音に対しても耳栓をするなどの対策をすることで騒音問題を緩和できます。
DIY防音対策の方法
ここからは具体的な防音対策をご紹介します。それぞれのポイントで可能な防音対策を実施してみましょう。
床
まずは基本となる床。音がもっとも伝わりやすいポイントであるため、ちょっとした対策をすると大きな防音効果を発揮します。
カーペットを敷く
フローリングの床の場合、カーペットを敷くだけでも防音することができます。
歩く際にはどうしても足音が鳴ります。そこでカーペットを敷くことで、固体音である足音を防ぎ、さらに空気音も緩和することができます。
防音性を高めるにはできるだけクッション性の高いものを選びましょう。毛足の長いカーペットは効果的です。また防音のことを重視した防音カーペットも販売されています。
マットを敷く
カーペットだけでなくマットを使うことでも床の防音は可能です。
マットの中にはカーペット代わりになるタイルカーペットがあり、こちらは部屋の大きさに合わせて設置できるため広範囲をカバーできます。
またカーペットの下に敷くマットも売られているため、マットとカーペットで二重にすることで音を抑えることができます。
防音マットと防音カーペットを組み合わせれば、最大限の対策が可能になります。
スリッパを履く
衝撃を吸収するスリッパを履くことで、歩くときに発生する音を軽減することができます。
ただし履き慣れていないと「パタパタ」という音がする場合もあります。使いこなせれば、かえって騒音の原因にもなります。
壁
次は壁の防音。できることは少なそうに思えますが、工夫次第で防音可能です。
家具を配置する
壁際にタンスや本棚などの家具を配置することで防音効果を高める方法です。
壁に当たるはずの音がタンスや本棚に当たることで壁に音が伝わるのを緩和し、防音効果を高めます。
配置の際には、壁にはピッタリと付けずに少し隙間を空けます。そうすることで防音効果がさらに高まります。
壁にポスターなタペストリーを貼る
壁にポスターやタペストリーを貼るのはインテリアの手法ですが、実は防音にも効果があります。
ポスターやタペストリー自体は薄いため大きな防音効果は期待できませんが、ポスターやタペストリーと壁の間に空間ができることで防音効果を発揮します。
段ボールを貼る
ポスターやタペストリーを貼るのに似ていますが、段ボールを貼り付けるのも効果的な防音方法です。
ポスターやタペストリーと違うところは、段ボール自体に防音効果がある点。段ボールは緩衝材としての機能があり、空気の層が作られています。この層によって防音することができます。
ただし見た目が非常に悪いためインテリア的にはオススメできない方法です。
遮音シートを貼る
遮音シートとは、防音用の建材。本来なら壁の内部に埋め込むこの遮音シートを、壁に貼り付けて使います。
防音効果は高く両面テープで貼り付ければ賃貸物件の壁でも設置することは可能です。
ただし見た目が非常に悪く壁を汚す可能性も高いため現実的ではなく簡単な方法とは言えません。
ドア
出入りする際にも音がなるドア。処置を施すことで大きな防音効果を得ることができます。
のれんを付ける
ドアの前にのれんを付けることで、音が直接ドアに当たるのを防ぎます。
ただしビーズ製のれんなどは、のれん自体が音の発生源となってしまいます。選ぶ際には布製など音を出しにくく吸収しやすいものを選びましょう。
隙間テープを付ける
ドアの下側に空いている空間を防ぐための隙間テープを設置することで防音できます。
隙間からは部屋の内外の音が伝わるため、隙間テープで隙を防ぐことで音の通過を止めます。さらにドアの開け閉めの際にはクッションとなり、ドアの開け閉めの音を軽減してくれます。
隙間テープは価格が安いうえに設置するのも簡単。かなり手軽で効果が高いためオススメの方法です。
窓
部屋によってはドアよりも大きなものもある窓。家の外にもつながっているため工夫を施せば高い防音効果を期待できます。
カーテンを設置する
窓を覆うカーテンを設置することは防音の基本となります。
最近では防音機能を高めた防音カーテンが販売されており、効果の高いものを選ぶことも重要です。
またカーテンを二重にすることでも防音効果は高まります。
遮光フィルムを貼る
太陽光を遮ってくれる遮光フィルムですが、音に対しても有効です。
遮光フィルムを窓に貼ることで窓の振動を軽減することができます。
デザイン性などを考えなければ、強力に音を遮る効果のある遮音フィルムもあります。
気泡緩衝材(プチプチシート)を貼る
潰すと楽しいプチプチシートを貼る方法も遮熱だけでなく防音にも大きな効果を発揮します。
プチプチシートの中には空気が入っており、それだけで十分に防音効果があります。防音に関しては遮光フィルムよりも効果は高いです。
ただし見た目が著しく悪くなるため、苦肉の策であることは否めません。
すだれを設置する
家の中だけでなく外側からも防音します。
すだれは日光を遮る際に使われるものですが、部屋の外に設置すれば部屋から出る音や入ってくる音を緩和します。
家電
どうしても音を出してしまう家電には、どのような対策が可能なのでしょうか。
イヤホンを使う
スピーカーから音が出ないように、イヤホンを使うのはひとつの方法です。自分自身は不便を強いられますが、家電に関してはもっとも効果の高い防音方法となります。
静音性の高い製品を選ぶ
できるだけ音が出ない家電を選ぶようにしましょう。
最近では静音性を売りにした製品も多数登場しているため、優先的に静音性の高い製品を選ぶことで防音することができます・
耐震・転倒防止用接着マット・ストッパーを使う
家電の下に耐震・転倒防止用接着マット・ストッパーを使いましょう。本来は地震による振動を吸収することで家具の転倒を防ぐものですが、振動を防ぐということは音を防げるということ。家電から出た音が床に伝わるのを最小限にとどめてくれます。
特に大きな振動で騒音の原因となる洗濯機に使えば高い効果を発揮します。
自分自身
自分自身では何に気を付ければいいのでしょうか。
歩き方を工夫する
歩き方を工夫するだけでも、騒音を軽減することができます。
歩き方のポイントは、かかとではなくつま先から地面に着くこと。忍び足のような歩き方はしなくてもいいですが、意識して静かに歩くだけでも大きな効果が得られます。
話し声を小さくする
話し声を小さくするのポイントです。
話し声の大きさについては、時間が大きく影響しており、早朝や深夜など大きな音を出してはいけない時間帯には控えましょう。
生活音を出す時間を工夫する
話し声の項目でも触れましたが、早朝や深夜に音を出すことで騒音問題に発展することが多々あります。
そのため生活音は音を出してもそれほど影響のない昼間に出しましょう。具体的には洗濯による洗濯機の音や掃除による掃除機の音は、時間帯を選びましょう。
耳栓をする
外側から入ってくる音をどうしても防げない場合には、耳栓を使うことで解決できます。
不便になることは間違いありませんが、非常に効果が高いうえに簡単に防音することができます。
まとめ
さまざまな防音対策をご紹介しましたが、ちょっとした工夫だけで意外と音は遮ることができます。いくつかの方法を組み合わせれば、高い防音効果を発揮することも不可能ではありません。
しかし建築物の構造上、どうしても防音できないこともあります。そういう場合には、引っ越しをするなり、管理会社に連絡するなり、隣のお宅に突撃するなりしましょう。